医療系学生のための病理学 第5版

中村仁志夫/石津明洋/田中伸哉/鬼島宏・編

医療系学生のための病理学 第5版

発行
2022/11/15
サイズ
B5
ページ数
288
ISBN
978-4-06-527953-3
定価
4,400円(税込)
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内容紹介

総論と各論をバランスよく構成した定番テキストのフルカラー改訂版。
看護系、臨床検査技師、薬学系、作業療法士や理学療法士などのリハビリテーション系などに最適。内容理解のための章末問題を収載した。


【著者一覧】
四十物絵理子/池田仁/石津明洋/伊藤智雄/伊藤靖/鬼島宏/笹本洋一/杉野弘和/
田中伸哉/谷野美智枝/中村仁志夫/西原広史/野島孝之/古田康/渡邉純

目次

1.病理学の概要
1.1 病理学の歴史
1.2 病理学の発展
1.3 病理診断学(外科病理学,病院病理学)
1.4 病理学入門
1.5 これからの病理学
1.6 教訓の病理学

2.病因論
2.1 内因
2.1.1 発症の直接因子
2.1.2 発症の誘因
2.1.3 生体防御機構の異常
2.2 外因
2.2.1 物理的因子
2.2.2 化学的因子
2.2.3 生物学的因子
2.2.4 社会的因子
2.3 医原病(医原性疾患)

3.先天性疾患と遺伝病
3.1 遺伝子と染色体
3.1.1 遺伝子と遺伝
3.1.2 遺伝子の構成
3.1.3 染色体の構成
3.1.4 染色体地図と遺伝子地図
3.1.5 相同染色体と対立遺伝子(アレル)
3.2 染色体異常
3.2.1 染色体異常(変化)の種類と表示法
3.2.2 常染色体異常に基づく疾患
3.2.3 性染色体異常に基づく疾患
3.3 遺伝子の傷害と遺伝病
3.3.1 遺伝子の修復傷害
3.3.2 突然変異,変異遺伝子と遺伝病
3.3.3 単一遺伝病
3.3.4 トリプレットリピート病――遺伝子の新たな概念
3.3.5 多因子遺伝病
3.3.6 先天性疾患・遺伝病の診断,治療,予防
3.3.7 遺伝子治療
3.4 奇形
3.4.1 重複奇形(二重体)
3.4.2 単体奇形
3.4.3 奇形の発生要因とその頻度
3.4.4 奇形発生の環境的要因(外因)
3.4.5 催奇形要因に対する感受期

4.細胞・組織傷害
4.1 細胞の構造と傷害
4.1.1 細胞の基本構造とそれぞれの役割
4.1.2 細胞の傷害による形態や機能の変化
4.2 細胞傷害の機序
4.2.1 細胞傷害の種類
4.3 適応
4.3.1 肥大と過形成
4.3.2 萎縮
4.3.3 化生(異所性分化)
4.4 変性
4.4.1 細胞の変性
4.4.2 間質(細胞間基質)の変性
4.5 細胞死
4.5.1 アポトーシス
4.5.2 壊死
4.5.3 壊疽(脱疽)
4.6 老化と死
4.6.1 細胞の老化
4.6.2 個体の老化
4.6.3 早老症
4.6.4 老化による生体の変化

5.物質代謝障害
5.1 糖質代謝の障害
5.1.1 糖尿病(高血糖症)
5.1.2 糖原病
5.1.3 ガラクトース血症
5.2 タンパク質代謝の障害
5.2.1 低タンパク血症
5.2.2 アミロイドーシス
5.2.3 尿毒症
5.2.4 高アンモニア血症
5.2.5 アミノ酸代謝障害
5.3 核酸代謝の障害
5.3.1 痛風
5.3.2 核酸代謝酵素欠損症
5.4 脂質代謝の障害
5.4.1 脂質異常症
5.4.2 肥満症
5.4.3 メタボリックシンドローム,内臓脂肪症候群
5.4.4 脂肪肝
5.4.5 脂質沈着症
5.5 無機質(ミネラル)代謝の障害
5.5.1 カルシウム代謝障害
5.5.2 石灰化
5.5.3 結石
5.5.4 鉄代謝障害
5.5.5 銅代謝障害
5.6 色素代謝の障害
5.6.1 黄疸(高ビリルビン血症)
5.6.2 ヘモジデリン(血鉄素)
5.6.3 メラニン
5.6.4 リポフスチン(褐色色素)
5.6.5 体外性色素

6.修復と再生
6.1 細胞分裂と増生
6.2 再生
6.3 肉芽組織
6.3.1 肉芽組織の形成
6.3.2 肉芽腫
6.4 創傷の治癒
6.4.1 創傷の修復機序
6.4.2 ケロイド
6.5 iPS細胞

7.循環障害
7.1 局所循環障害
7.1.1 血管内での血流・血液量の変化
7.1.2 血管壁の変化による病変
7.1.3 血管内腔の閉塞による病変
7.1.4 循環血液・リンパ還流の異常
7.2 ショック
7.2.1 神経原性ショック(一次性ショック,神経性ショック)
7.2.2 心原性ショック
7.2.3 低容量性ショック(二次性ショック,出血性ショック)
7.2.4 敗血症性ショック,エンドトキシンショック
7.2.5 アナフィラキシーショック
7.2.6 ショックによる臓器障害
7.3 高血圧による臓器障害
7.3.1 脳,心・血管系の障害
7.3.2 悪性高血圧
7.4 動脈硬化症とそれに伴う障害
7.4.1 粥状動脈硬化症(アテローム硬化)
7.4.2 細動脈硬化
7.4.3 メンケベルク硬化

8.炎症と感染症
8.1 炎症
8.1.1 炎症の定義
8.1.2 炎症の原因
8.1.3 炎症細胞の種類と働き
8.1.4 炎症の分類
8.1.5 炎症とケミカルメディエーター
8.2 感染症
8.2.1 感染症の定義
8.2.2 感染と発症
8.2.3 感染経路
8.2.4 感染に対する宿主の防御機構
8.2.5 病原体の体内拡散
8.2.6 感染病原体の種類
8.2.7 最近の話題
8.3 人獣共通感染症
8.3.1 人獣共通感染症の概念
8.3.2 動物の種類
8.3.3 病原体の種類
8.3.4 近年の発生要因

9.免疫と免疫異常
9.1 免疫
9.1.1 免疫の定義
9.1.2 細胞性免疫と液性免疫
9.2 免疫異常
9.2.1 アレルギー
9.2.2 自己免疫疾患
9.2.3 免疫不全
9.2.4 移植と拒絶反応

10.腫瘍
10.1 良性腫瘍と悪性腫瘍
10.1.1 基本的差異
10.1.2 病理学的差異
10.2 腫瘍の命名法と分類
10.2.1 腫瘍の命名法
10.2.2 組織発生に基づく分類
10.3 悪性腫瘍の進展,生体への侵襲 101
10.3.1 浸潤と転移
10.3.2 転移の種類
10.3.3 癌の進行と全身的影響
10.3.4 TNM分類――癌の病期表す国際基準
10.4 腫瘍の原因(内因と外因,発生機序)
10.4.1 腫瘍発生に関する研究の歴史的変遷
10.4.2 さまざまな内因(腫瘍素因)
10.4.3 外因(1) 化学的因子(発癌物質)
10.4.4 外因(2) 物理的発癌因子
10.4.5 外因(3) 生物学的因子――ウイルスによる発癌
10.4.6 外因(4) その他の癌の増殖にかかわる因子
10.4.7 癌遺伝子について
10.4.8 癌抑制遺伝子
10.4.9 腫瘍と染色体(遺伝子座)における変異
10.4.10 発癌のしくみ――イニシエーターとプロモーター
10.5 診断法の進歩
10.5.1 診断機器の進歩
10.5.2 補助診断法の進歩
10.6 がんの治療における病理学(組織診,細胞診)の役割
10.6.1 日本病理剖検輯報――病理解剖の集大成
10.6.2 病理専門医――外科病理学を担う人々
10.6.3 がんの集団検診における細胞診の役割――細胞検査士の存在
10.6.4 がんの診断と治療の今後の展望
10.7 がんの実態の推移と問題点
10.7.1 がんの統計
10.7.2 治りやすくなったがんと増えているがん
10.7.3 増えている重複がん
10.7.4 主ながんの10年生存率
10.7.5 がんの予防と今後の対策・心がまえ

各論
11.循環器系
11.1 先天性心疾患(心奇形)
11.1.1 非チアノーゼ群
11.1.2 チアノーゼ群
11.1.3 解剖学的分類
11.2 代謝異常
11.2.1 萎縮
11.2.2 心筋の脂肪変性
11.2.3 脂肪心
11.2.4 糖原病(グリコーゲン蓄積症)Ⅱ型(ポンペ病)
11.3 心肥大
11.3.1 左心室肥大
11.3.2 右心室肥大
11.4 炎症
11.4.1 心内膜炎
11.4.2 心筋炎
11.4.3 心外膜炎
11.5 虚血性心疾患
11.5.1 狭心症
11.5.2 心筋梗塞
11.6 心筋症(特発性心筋症)
11.6.1 肥大型心筋症
11.6.2 拡張型心筋症
11.6.3 拘束型心筋症
11.7 動脈の病変
11.7.1 動脈硬化
11.7.2 動脈瘤
11.7.3 動脈炎
11.8 静脈の病変
11.8.1 静脈瘤

12.呼吸器系
12.1 上気道の疾患
12.1.1 鼻腔,副鼻腔の主な疾患
12.1.2 咽頭,喉頭の主な疾患
12.2 気管,気管支,肺の疾患
12.2.1 下気道の構造の特徴
12.2.2 肺の循環障害
12.2.3 気道の閉塞または拡張を示す疾患
12.2.4 炎症
12.2.5 塵肺症
12.2.6 気管支,肺の腫瘍
12.3 胸膜,胸腔,縦隔の疾患
12.3.1 気胸
12.3.2 胸水症
12.3.3 胸膜の腫瘍
12.3.4 縦隔の病変

13.消化器系
13.1 口腔,唾液腺
13.1.1 炎症
13.1.2 腫瘍
13.2 食道
13.2.1 食道狭窄
13.2.2 食道静脈瘤
13.2.3 好酸球性食道炎
13.2.4 胃食道逆流症
13.2.5 バレット食道
13.2.6 食道癌
13.3 胃
13.3.1 胃炎
13.3.2 胃潰瘍
13.3.3 腫瘍および腫瘍様病変
13.3.4 胃癌の進行度の分類
13.3.5 非上皮性胃腫瘍
13.4 腸
13.4.1 先天異常
13.4.2 腸閉塞症(イレウス)
13.4.3 循環障害
13.4.4 炎症
13.4.5 ポリープおよびポリポーシス
13.4.6 大腸癌(結腸/直腸癌)
13.5 肝
13.5.1 黄疸
13.5.2 脂肪化,脂肪肝
13.5.3 循環障害
13.5.4 炎症
13.5.5 肝硬変症
13.5.6 腫瘍
13.6 胆嚢,胆道
13.6.1 胆道閉鎖症
13.6.2 胆石症と胆嚢炎
13.6.3 胆嚢癌,肝外胆管癌
13.7 膵
13.7.1 炎症
13.7.2 嚢胞
13.7.3 腫瘍

14.造血器系
14.1 骨髄
14.1.1 赤血球の異常
14.1.2 血小板および凝固系の異常
14.1.3 白血球の異常
14.1.4 造血器腫瘍の分類とその留意点
14.2 リンパ節
14.2.1 炎症
14.2.2 悪性リンパ腫
14.3 脾
14.3.1 脾の循環障害
14.3.2 感染脾
14.3.3 脾腫
14.4 胸腺
14.4.1 胸腺過形成
14.4.2 胸腺の腫瘍

15.泌尿器系
15.1 腎の疾患
15.1.1 先天性,遺伝性疾患
15.1.2 萎縮
15.1.3 代謝障害
15.1.4 循環障害
15.1.5 炎症
15.1.6 腫瘍
15.2 尿管の疾患
15.3 膀胱の疾患
15.3.1 炎症
15.3.2 腫瘍
15.4 尿道の疾患
15.4.1 奇形
15.4.2 炎症
15.4.3 腫瘍

16.生殖器系
16.1 女性生殖器
16.1.1 感染症
16.1.2 子宮
16.1.3 卵巣
16.1.4 妊娠に関連した疾患
16.1.5 乳腺
16.2 男性生殖器
16.2.1 精巣
16.2.2 前立腺

17.運動器および軟部組織系
17.1 骨の病変
17.1.1 骨の先天性発育異常
17.1.2 骨の発育不全
17.1.3 骨の代謝障害
17.1.4 骨折
17.1.5 骨髄炎
17.1.6 骨腫瘍および腫瘍様病変
17.2 関節の疾患
17.2.1 変形性関節症
17.2.2 関節の炎症
17.2.3 結晶性関節炎
17.3 骨格筋の病変
17.3.1 筋の萎縮
17.3.2 筋炎
17.4 軟部組織
17.4.1 軟部組織の腫瘍と腫瘍様病変

18.内分泌系
18.1 下垂体
18.1.1 下垂体機能亢進症
18.1.2 下垂体機能低下症
18.1.3 下垂体後葉の異常
18.2 甲状腺
18.2.1 甲状腺機能亢進症
18.2.2 甲状腺機能低下症
18.2.3 橋本病(慢性甲状腺炎)
18.2.4 甲状腺腫瘍
18.3 副甲状腺
18.3.1 副甲状腺機能亢進症
18.3.2 副甲状腺機能低下症
18.4 副腎
18.4.1 副腎皮質機能亢進症
18.4.2 副腎皮質機能低下症
18.4.3 副腎髄質腫瘍
18.5 膵ランゲルハンス島(膵島)
18.5.1 糖尿病の病変
18.5.2 膵島の腫瘍
18.6 多発性内分泌腫瘍症候群

19.脳・神経系
19.1 神経系の構成要素の特殊性
19.1.1 中枢神経系と末梢神経系との基本的な違い
19.1.2 神経細胞
19.1.3 グリア細胞
19.1.4 神経細胞とグリア細胞,シュワン細胞との関係
19.1.5 血液脳関門
19.1.6 脳脊髄液(髄液)
19.1.7 くも膜下腔と血管周囲腔
19.1.8 動脈系と静脈系の特徴
19.2 脳浮腫と頭蓋内圧亢進
19.2.1 脳浮腫の発生と障害脳組織の修復
19.2.2 頭蓋内圧亢進の所見
19.3 脳血管障害
19.3.1 くも膜下出血
19.3.2 脳出血
19.3.3 虚血性脳病変
19.4 頭部外傷,脳外傷
19.4.1 頭蓋骨骨折
19.4.2 脳挫傷
19.4.3 慢性硬膜下血腫
19.5 炎症性病変(髄膜炎,脳炎,脳脊髄膜炎)
19.5.1 化膿性髄膜炎
19.5.2 結核性髄膜炎
19.5.3 真菌性髄膜炎
19.5.4 ウイルス性脳炎・神経炎
19.5.5 HAM(HTLV-1関連脊髄症)
19.5.6 進行性多巣性白質脳症
19.6 脳腫瘍,頭蓋内腫瘍
19.6.1 神経膠腫,神経外胚葉性腫瘍
19.6.2 神経膠腫系以外の脳・脊髄腫瘍
19.6.3 母斑症――神経皮膚症候群
19.7 神経系に特有な難病――代表例を中心に
19.7.1 脱髄疾患
19.7.2 系統変性疾患
19.7.3 認知症(老年痴呆)
19.7.4 プリオン病
19.8 中毒,栄養障害性疾患
19.8.1 有機水銀中毒
19.8.2 農薬中毒(有機リン系殺虫剤など)
19.8.3 有機溶剤中毒
19.8.4 ガス中毒
19.8.5 麻薬系薬物中毒
19.8.6 医原性薬物中毒
19.8.7 栄養障害による病態
19.9 末梢神経疾患,神経筋疾患
19.9.1 ギラン-バレー症候群
19.9.2 重症筋無力症
19.9.3 進行性筋ジストロフィー症
19.9.4 多発性筋炎,皮膚筋炎
19.10 髄液還流障害
19.10.1 水頭症
19.10.2 脊髄空洞症
19.11 脳死と死

20.皮膚・感覚器系
20.1 皮膚
20.1.1 皮膚の構造と機能
20.1.2 皮膚の炎症性病変
20.1.3 皮膚の感染性疾患
20.1.4 皮膚の腫瘍性疾患
20.2 眼の主な疾患
20.3 耳の主な疾患

章末問題の解答
索引