宇宙を統べる方程式 高校数学からの宇宙論入門

吉田伸夫・著

宇宙を統べる方程式 高校数学からの宇宙論入門

発行
2021/09/09
サイズ
A5
ページ数
256
ISBN
978-4-06-525119-5
定価
2,970円(税込)
在庫
在庫あり

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内容紹介

竹内薫氏、絶賛!「最低限の数式で、ホンモノの宇宙論が理解できる!」

宇宙の始まりは「神の領域」ではない。人類の科学が解明した宇宙138億年史を、高校物理・数学だけを予備知識として、丹念に追う。

目次

CHAPTER 1 宇宙の形
§1-1 重力と時間
重力作用による時間の遅れ
エネルギーとは何か
重力が作用するときのエネルギー
重力ポテンシャルを用いた式
【COLUMN なぜ時間の伸縮は実感されないのか?】
§1-2 重力と時空の幾何学
ガウスの曲面論
曲率とは何か
球面の微分幾何学
§1-3 アインシュタイン方程式
時間と空間の統合
物理的な長さの基準
一般相対性の要請
アインシュタイン方程式の右辺──物理学的な項
アインシュタイン方程式の左辺──幾何学的な項
宇宙の形
【数学的補遺1-1 運動する粒子のエネルギー】
【数学的補遺1-2 重力ポテンシャルが満たす方程式】
【科学史の窓 一般相対論に至る道】

CHAPTER 2 アインシュタインの宇宙モデル
§2-1 モデル1――中心のある宇宙
空間的な境界条件
何もないことの不自然さ
普遍的境界条件のない無限宇宙
当時の観測データ
遠方で発散する球対称の計量場
シュヴァルツシルト解との比較
§2-2 モデル2─―球面状宇宙
球面状空間の幾何学
エネルギー運動量テンソルに対する制約
宇宙のエネルギー運動量テンソル
宇宙項の導入
【COLUMN トーラス状の宇宙】
§2-3 球面モデルの意義
なぜ定常状態を仮定したか
宇宙原理
宇宙全体を考える視座
【数学的補遺2-1 球面状空間の極座標表示】
【科学史の窓 相対論とエーテル】

CHAPTER 3 フリードマン方程式
§3-1 動的宇宙の可能性
静止宇宙の不自然さ
動的な一様当方宇宙
球面状空間のユークリッド近似
ユークリッド近似でのリッチテンソル
球面状宇宙のスカラー曲率
動的宇宙のアインシュタイン方程式
エネルギー保存則
§3-2 フリードマン方程式と解の分類
解の定性的な振る舞い
宇宙項の物理的な意味
宇宙空間は不安定である
ユークリッド近似での解
もう一つの一様等方空間――鞍面状空間
§3-3 動的宇宙の特徴
宇宙の大きさが変わる
振動解はあるか
宇宙の始まり
宇宙空間はなぜ膨張しているのか
【数学的補遺3-1 ユークリッド近似でのリッチテンソル】
【数学的補遺3-2 エネルギー保存則】
【数学的補遺3-3 ユークリッド近似での解】
【科学史の窓 フリードマン論文の受容】

CHAPTER 4 膨張宇宙の検証
§4-1 宇宙論的赤方偏移とハッブル=ルメートルの法則
宇宙論的赤方偏移
ハッブル=ルメートルの法則
後退速度を用いた法則の表し方
光の消耗説
§4-2 観測データによる検証
宇宙原理の妥当性
距離の推定
ハッブル定数の値
銀河の固有運動
遠方の銀河からの光
標準光源としてのIa型超新星
加速膨張の証拠
§4-3 始まりのある宇宙
静止宇宙の不安定性
原始的原子
宇宙の始まりについての学説
宇宙空間はなぜ膨張しているのか
【数学的補遺4-1 フリードマン方程式の積分】
【数学的補遺4-2 ルメートルの宇宙モデル】
【科学史の窓 「ハッブルの法則」の改名】

CHAPTER 5 初期宇宙の熱史
§5-1 熱力学・統計力学の基礎
温度の重要性
宇宙空間での平衡定数
温度とは何か
マクスウェルの速度分布論
気体のエネルギー分布
理想気体の状態方程式
§5-2 光の支配する宇宙
圧力を含む宇宙論の方程式
熱い物質のエネルギーと運動量
【COLUMN 亜光速粒子の運動量】
光が支配する宇宙
光の状態方程式
エネルギー密度の時間依存性
光子気体の断熱膨張
ステファン=ボルツマンの法則
初期宇宙の温度変化
§5-3 物質世界の誕生
ビッグバン直後
反物質の消滅
元素の合成
放射優勢期
放射優勢期の終わり
【数学的補遺5-1 動く鏡を使った放射圧の導き方】
【数学的補遺5-2 ステファン=ボルツマンの法則の導出法】
【科学史の窓 アルファ・ベータ・ガンマ理論】

CHAPTER 6 変化する暗黒エネルギー
§6-1 一様性の謎
一様性の何が謎か
背景放射の放出地点
一様になる範囲の"狭さ"
ルメートル・モデルは解決になるか?
謎の起源
謎を解決するための仮説
変化する暗黒エネルギー
暗黒エネルギーを生み出す場
§6-2 スカラー場によるインフレーション
任意ポテンシャルによる粒子の運動
スカラー場のポテンシャル
ビッグバンの前と後
スカラー場が変化する可能性
初期のインフレーション理論
スローロール・インフレーション
観測データの現状
§6-3 スカラー場の謎
【数学的補遺6-1 背景放射の温度と赤方偏移】
【数学的補遺6-2 最終散乱面までの距離】
【数学的補遺6-3 一様になり得る範囲】
【数学的補遺6-4 スカラー場の運動方程式】
【科学史の窓 インフレーション理論の変貌】

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