入門 現代の量子力学 量子情報・量子測定を中心として

堀田昌寛・著

入門 現代の量子力学 量子情報・量子測定を中心として

発行
2021/07/09
サイズ
A5
ページ数
304
ISBN
978-4-06-523923-0
定価
3,300円(税込)
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内容紹介

今世紀の標準! 次世代を担う物理学徒に向けて、量子力学を根本的に再構成した。原理から本当に理解する15章。
「量子力学は20世紀前半には場の理論を含めて完成を見た。しかしその完成に至るまでの試行錯誤では、現在では間違っていることがわかっている物質波の解釈の仕方や、正確ではなかった不確定性関係の議論もなされていた。そこで本書では、そのような歴史的順序そのままの紆余曲折のある論理を辿らないことにした。一方で、線形的な状態空間やボルン則を用いた確率解釈やシュレディンガー方程式などを天下り的に公理とするスタイルもとらない。代わりに情報理論の観点からの最小限の実験事実に基づいた論理展開で、確率解釈のボルン則や量子的重ね合わせ状態の存在などを証明する。」〈本書「まえがき」より〉

目次

第1章 隠れた変数の理論と量子力学
1.1 はじめに
1.2 シュテルン=ゲルラッハ実験とスピン
1.3 隠れた変数の理論の実験的な否定
第2章 二準位系の量子力学
2.1 測定結果の確率分布
2.2 量子状態の行列表現
2.3 観測確率の公式
2.4 状態ベクトル
2.5 物理量としてのエルミート行列という考え方
2.6 空間回転としてのユニタリー行列
2.7 量子状態の線形重ね合わせ
2.8 確率混合
第3章 多準位系の量子力学
3.1 基準測定
3.2 物理操作としてのユニタリー行列
3.3 一般の物理量の定義
3.4 同時対角化ができるエルミート行列
3.5 量子状態を定める物理量
3.6 N準位系のブロッホ表現
3.7 基準測定におけるボルン則
3.8 一般の物理量の場合のボルン則
3.9 ρ^の非負性
3.10 縮退
3.11 純粋状態と混合状態
第4章 合成系の量子状態
4.1 テンソル積を作る気持ち
4.2 テンソル積の定義
4.3 部分トレース
4.4 状態ベクトルのテンソル積
4.5 多準位系でのテンソル積
4.6 縮約状態
第5章 物理量の相関と量子もつれ
5.1 相関と合成系量子状態
5.2 もつれていない状態
5.3 量子もつれ状態
5.4 相関二乗和の上限
第6章 量子操作および時間発展
6.1 はじめに
6.2 物理操作の数学的表現
6.3 シュタインスプリング表現
6.4 時間発展とシュレディンガー方程式
6.5 磁場中の二準位スピン系のハミルトニアン
6.6 ハイゼンベルグ描像
6.7 対称性と保存則
第7章 量子測定
7.1 はじめに
7.2 測定の設定
7.3 測定後状態
7.4 不確定性関係
第8章 一次元空間の粒子の量子力学
8.1 はじめに
8.2 状態空間次元の無限大極限
8.3 位置演算子と運動量演算子
8.4 運動量演算子の位置表示
8.5 N^の固有状態の位置表示波動関数
8.6 エルミート演算子のエルミート性
8.7 粒子系の基準測定
8.8 粒子の不確定性関係
第9章 量子調和振動子
9.1 ハミルトニアン
9.2 シュレディンガー方程式の位置表示
9.3 伝播関数
第10章 磁場中の荷電粒子
10.1 調和振動子から磁場中の荷電粒子へ
10.2 伝播関数
第11章 粒子の量子的挙動
11.1 自分自身と干渉する
11.2 電場や磁場に触れずとも感じる
11.3 トンネル効果
11.4 ポテンシャル勾配による反射
11.5 離散的束縛状態
11.6 連続準位と離散準位の共存
第12章 空間回転と角運動量演算子
12.1 はじめに
12.2 二準位スピンの角運動量演算子
12.3 角運動量演算子と固有状態
12.4 角運動量の合成
12.5 軌道角運動量
第13章 三次元球対称ポテンシャル問題
13.1 はじめに
13.2 三次元調和振動子
13.3 球対称ポテンシャルのハミルトニアン固有値問題
13.4 角運動量保存則
13.5 クーロンポテンシャルの基底状態
第14章 量子情報物理学
14.1 はじめに
14.2 複製禁止定理
14.3 量子テレポーテーション
14.4 量子計算
第15章 なぜ自然は「量子力学」を選んだのだろうか
15.1 確率分布を用いたCHSH不等式とチレルソン不等式
15.2 ポぺスク=ローリッヒ箱の理論
15.3 情報因果律
15.4 ポペスク=ローリッヒ箱の強さ
付録
A 量子力学におけるチレルソン不等式の導出
B.1 有限次元線形代数
B.2 パウリ行列
C.1 クラウス表現の証明
C.2 クラウス表現を持つΓがシュタインスプリング表現を持つ証明
D.1 フーリエ変換
D.2 デルタ関数
E 角運動量合成の例
F ラプラス演算子の座標変換
G.1 シュテルン=ゲルラッハ実験を説明する隠れた変数の理論
G.2 棒磁石モデルにおけるCHSH不等式