ゲルの科学

長田義仁/K. Dusek/柴山充弘/浦山健治・著

ゲルの科学

発行
2020/03/06
サイズ
A5
ページ数
576
ISBN
978-4-06-519005-0
本体
9000円(税別)
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内容紹介

大きな可能性を秘めた物質「ゲル」。そもそもゲルとは何なのか,本書で体感すべし! ゲルについて第一線の研究者が余すところなく解説した超大作。歴史的な背景やゲルの分類,生成機構,物性,膨潤・収縮に関する理論,構造解析法などをていねいに記述。

目次

第1章 ゲルとは―ゲルは普遍的な物質の状態である

1.1 高分子ゲルとは
1.2 生物組織はハイドロゲルでできている
1.3 日常生活におけるゲル
1.4 ゲルの歴史と定義
1.5 高分子ゲルの分類
1.6 なぜゲル科学が重要なのか
付録 IUPACによるゲルの定義

第2章 ゲルの基本的性質

2.1 ゲル化点
2.2 ゴム弾性
2.3 液体の吸収と保持
2.4 膨潤および体積相転移
2.5 高分子電解質ゲル
2.5.1 電気伝導度
2.5.2 誘電緩和
2.6 ゲル中の水
2.7 ゲル中の拡散および輸送
2.7.1 溶媒の拡散
2.7.2 高分子の拡散
2.7.3 タンパク質の拡散

第3章 ゲルの形成

3.1 架橋(橋架け)反応とは
3.2 化学ゲル
3.2.1 重合と同時の架橋
3.2.2 網目形成の拡散制御
3.2.3 既存高分子の後架橋
3.3 物理ゲル
3.3.1 合成高分子
3.3.2 タンパク質
3.3.3 多糖
3.4 網目構築の理論モデル
3.4.1 網目構築のモデル
3.4.2 分岐構造および架橋構造の確率論的生成
3.4.3 分岐プロセスの速度論的記述
3.4.4 3.4節のまとめ

第4章 ゲルの熱力学

4.1 膨潤現象とは
4.2 膨潤度の決定および表式
4.3 膨潤に関する理論的アプローチ:非荷電ゲルの平衡膨潤
4.3.1 混合と鎖の弾性:寄与とその加成性
4.3.2 ギブズエネルギーへの混合効果の寄与:一般化Flory‐Hugginsの理論
4.3.3 混合モデル:Flory‐Huggins理論の代替案
4.3.4 弾性の寄与
4.3.5 非荷電網目の膨潤平衡
4.4 荷電基を有するゲルの膨潤
4.4.1 Flory‐Hugginsの格子モデルの修正による高分子電解質ゲルのモデル化
4.4.2 対イオン凝縮によるイオン対の形成
4.4.3 荷電ゲルに関する他のモデル
4.5 準希薄系:排除体積とスケーリング
4.6 拘束下における膨潤
4.6.1 変形ゲルの膨潤
4.6.2 膨潤圧
4.6.3 ゲル構造体の膨潤
4.7 ゲル中の相分離およびゲル形成中の相分離:体積相転移
4.7.1 ゲル中でのマクロおよびミクロ相分離:マクロシネレシスおよびミクロシネレシス
4.7.2 網目形成反応中の相分離
4.7.3 体積相転移に関するまとめ
4.8 まとめ

第5章 膨潤と収縮の速度論

5.1 ゲル膨潤の現象論
5.2 高分子網目の協同拡散理論
5.2.1 ひずみテンソルと応力テンソル
5.2.2 ゲルの協同拡散方程式
5.3 膨潤と収縮
5.3.1 球座標における膨潤方程式
5.3.2 膨潤方程式の解(Tanaka-Fillmore理論)
5.3.3 球状ゲルの膨潤
5.3.4 非球状ゲルの膨潤
5.4 膨潤・収縮の速度論に対する実験的証明
5.4.1 球状ゲル
5.4.2 非球状ゲル
5.4.3 速い膨潤
5.4.4 収縮の急激な減速と相分離
5.4.5 イオン交換樹脂
5.4.6 ポリビニルアルコール-イオン錯体ゲル(スライム)
5.5 体積相転移温度前後における膨潤と収縮
5.5.1 弱荷電ゲル
5.5.2 非荷電ゲル:収縮の速度論と相分離
5.6 まとめ
付録A テンソル
付録B ベッセル関数
付録C 式の導出

第6章 ゲルの力学とレオロジー

6.1 ゲルの弾性
6.1.1 エントロピー弾性
6.1.2 1本鎖の弾性
6.1.3 アフィン網目モデル
6.1.4 ファントム網目モデル
6.1.5 実在ゲル・ゴムの弾性率と網目構造の関係
6.1.6 実在ゲル・ゴムの大変形挙動とゴム弾性の拡張モデル
6.2 ゲルの拡散-力学カップリング
6.2.1 拡散-力学カップリングとは
6.2.2 変形下の膨潤の熱力学
6.2.3 一定ひずみ下での体積変化の速度論
6.2.4 一定ひずみ速度で伸長されるゲル
6.2.5 正弦振動で変形されるゲル
6.2.6 超低速度で圧縮されるゲルの強靭化現象
6.2.7 超遠心場でのゲルの収縮挙動
6.2.8 拡散-力学カップリングのその他の例
6.3 ゾル-ゲル転移のレオロジー
6.3.1 ゾル-ゲル転移とは
6.3.2 パーコレーション理論からみたゾル-ゲル転移
6.3.3 ゾル-ゲル転移のレオロジーの理論的背景
6.3.4 ゾル-ゲル転移のレオロジーに関する実験例

第7章 ゲルの構造解析

7.1 構造解析の方法論とゲルの不均一性
7.1.1 構造解析の方法
7.1.2 ゲルの不均一性
7.2 散乱理論
7.2.1 高分子ゲルの散乱関数
7.2.2 ゲルの不均一性
7.2.3 高分子ゲルの散乱関数の現象論
7.2.4 高分子ゲルの散乱関数に関する統計力学理論
7.3 種々の実験条件におけるゲルの散乱関数
7.3.1 架橋効果
7.3.2 膨潤および脱膨潤ゲル
7.3.3 延伸ゲル
7.3.4 体積相転移と臨界現象
7.3.5 荷電ゲルとミクロ相分離
7.3.6 物理ゲル
7.3.7 オイルゲル化剤
7.3.8 種々の高強度ゲルと変形挙動
7.4 顕微鏡法
7.4.1 各種顕微鏡法
7.4.2 顕微鏡法によるゲルの研究例
7.5 NMR法
7.5.1 NMR法の原理
7.5.2 NMR法による架橋構造の研究例
7.6 動的光散乱法
7.6.1 ゲルの協同拡散理論
7.6.2 非エルゴード性と散乱光強度の静動分離
7.6.3 散乱光強度の静動分離と協同拡散係数の評価
7.6.4 光散乱法によるゲル化解析
7.6.5 ゲルのクラスター分布解析と時分割動的光散乱法
7.6.6 プローブ動的光散乱法
7.6.7 顕微動的光散乱法

第8章 生物におけるゲル

8.1 ヒトの身体はゲルでできている
8.2 細胞外マトリックス(ECM)
8.3 結合組織
8.4 細胞
8.5 細胞核
8.6 細胞骨格

第9章 ゲルの生物模倣機能と応用

9.1 高強度ゲル
9.2 低摩擦ゲル
9.3 ソフト・ウェットアクチュエーター
9.3.1 ケモメカニカルゲル
9.3.2 導電性高分子ゲルアクチュエーター
9.3.3 磁場駆動ゲルアクチュエーター
9.3.4 ATP駆動生物ゲルアクチュエーター
9.4 細胞(培養)担体
9.4.1 ECM由来の材料
9.4.2 天然および合成高分子ゲル
9.4.3 三次元細胞培養培地
9.5 階層性細胞骨格ゲル
9.6 ドラッグデリバリーシステム(DDS)
9.6.1 拡散による制御
9.6.2 オン-オフ制御
9.7 バイオメディカルゲル