河川生態系の調査・分析方法

井上幹生/中村太士・編

河川生態系の調査・分析方法

発行
2019/9/30
サイズ
A5
ページ数
448
ISBN
978-4-06-516999-5
本体
6800円(税別)
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内容紹介

日本国内の事例に基づいて河川の調査・分析方法を体系的に解説する、待望の専門書。第一線の研究者が最新知見を結集し、基礎から丁寧に解説します。カラー写真や図版も多数。

目次

1 章 河川の特性をつかむ
 1.1 流域を俯瞰する ─地図やデータベースの利用─
  1.1.1 空間情報をGIS で扱う
  1.1.2 間違いに気づく
  1.1.3 公開情報を用いる
  1.1.4 流域特性を表現する
  コラム1.1 地理空間情報と地理座標系

 1.2 河川地形と水や土砂の流れ ─時空間的整理と計測─
  1.2.1 河川地形の時空間スケール
  1.2.2 河川地形・生息場の分類
  1.2.3 河川地形の計測とデータの活用
  1.2.4 流れと底質の計測手法
  1.2.5 水文データの計測とデータの活用
  コラム1.2 河川のシミュレーションソフトiRIC による流れの数値計算
  コラム1.3 河川における縦断的な位置を示す河川距離標

 1.3 河川間隙水域 ─見えない地下を探る─
  1.3.1 水の流れを測る
  1.3.2 水質・物質循環
  1.3.3 生物

2 章 生き物の生息場としての河川
 2.1 河川生息場を表す
  2.1.1 調査区間の設定と流路単位
  2.1.2 リーチスケールで表す
  2.1.3 より小さなスケールで見る

 2.2 攪乱を表す
  2.2.1 河川における攪乱
  2.2.2 流量データに基づく攪乱の評価
  2.2.3 河床に注目した攪乱の評価
  2.2.4 河川地形と水文データに基づく冠水頻度・指標の評価

 2.3 水辺林を調べる
  2.3.1 植生図をつくる
  2.3.2 植物群落の組成を詳しく調査する
  2.3.3 植物群落と地形との対応を調査する
  2.3.4 年齢情報から更新時期,過去の変動履歴を知る
  2.3.5 植生を説明する環境変量を調査する
  2.3.6 水辺林の機能を調べる

3 章 河川生物群集のエネルギー源
 3.1 付着藻類
  3.1.1 採集
  3.1.2 現存量
  3.1.3 光合成
  3.1.4 酸素収支法(mass balance method)に基づく生産量の測定方法

 3.2 外来性有機物
  3.2.1 河川への粗粒有機物の流入
  3.2.2 河床に堆積した粗粒有機物
  3.2.3 葉リターの流下と滞留
  3.2.4 葉リターの破砕
  3.2.5 細粒有機物の採集・定量

4 章 消費者 ─虫や魚たち─
 4.1 底生無脊椎動物
  4.1.1 河川における底生無脊椎動物の特徴
  4.1.2 調査のタイミング:生活史や増水に対する反応をふまえて
  4.1.3 調査する場所:空間分布をふまえて
  4.1.4 調査法:採集の方法と必要器具
  4.1.5 室内作業
  4.1.6 結果の整理─既存データと比較できるかたちに
  4.1.7 底生動物をより深く理解するために
  付表 底生動物の主要分類群(主に属レベル)に割り当てられる摂食機能群,生活型,河床生息型,流れ生息場型

 4.2 魚類
  4.2.1 魚類採集を行う場所の選定
  4.2.2 採集方法
  4.2.3 個体数推定
  4.2.4 麻酔およびサンプルの固定方法
  4.2.5 体調・体重の測定,年齢査定および食性分析
  4.2.6 生息場所利用と行動の観察

5 章 生き物の内部情報から全体を見渡す
 5.1 河川生物を対象とした遺伝子解析
  5.1.1 核DNA,ミトコンドリアDNA,葉緑体DNA と遺伝情報
  5.1.2 河川生物を対象とした遺伝子解析の意義や重要性
  5.1.3 標本作成法(固定から標本の保管まで)
  5.1.4 遺伝子解析(塩基配列解析)
  5.1.5 遺伝情報(塩基配列情報)の整理・解析,そして実践例
  5.1.6 河川生態学における遺伝子解析技術とその利活用
  コラム5.1 超並列シークエンサーを用いた群衆のメタゲノム解析
  コラム5.2 環境DNA による河川生物調査法

 5.2 安定同位体分析
  5.2.1 安定同位体とは
  5.2.2 軽元素同位体比質量分析計
  5.2.3 安定同位体サンプルの処理・測定
  5.2.4 同位体比データ解析
  5.2.5 金属元素の同位体比データの活用

6 章 調査・解析をデザインする
 6.1 野外調査と統計モデルの位置づけ

 6.2 一般化線形モデルと調査デザイン
  6.2.1 一般化線形モデルの構造
  6.2.2 GLM と対応する調査デザイン
  6.2.3 GLM による解析例

 6.3 データの複雑性に統計モデリングで対応する
  6.3.1 グループ構造を表現する:一般化線形混合モデル
  6.3.2 過剰なゼロを表現する:ゼロ過剰モデル
  6.3.3 説明変数間の強い相関への対処

 6.4 階層的な統計モデルを扱う
  6.4.1 複数の空間階層における生態現象を扱う
  6.4.2 階層モデルを利用した研究例
  6.4.3 ベイズ統計モデルの実装方法
  コラム6.1 確率変数と確率分布
  コラム6.2 GLMM による解析例