よくある質問 NMRスペクトルの読み方

福士江里・著

よくある質問 NMRスペクトルの読み方

発行
2009/02/20
サイズ
A5判
ページ数
190
ISBN
978-4-06-280304-5
定価
2,750円(税込)
在庫
在庫あり

書籍を購入する

定価
2,750円(税込)

電子書籍

※価格は紙の本と異なります。また、書店によって価格が異なる場合もあります。※配信開始日は各書店により異なります。書店によっては取り扱いのない作品もございます。あらかじめご了承ください。
電子書籍版を見る

内容紹介

スペクトルを"読める"ようになる橋渡し!
初めてNMRスペクトルを見る人から,二次元を読みこなしたい人まで,いまさら聞けない疑問を解決しながら,構造を決める力がつく.教科書や授業で習わないノウハウが満載.
"この本は,はじめてNMRスペクトルを手にした方が,データを読んで構造の確認や未知化合物の構造推定に活用できるようになることを目標としています.原理的な解説は機器分析や有機化学の教科書に良いものがたくさんありますのでそちらにお任せすることとし,スペクトルを読むことに重点を置きました.NMRスペクトルに慣れ親しんでいただけるよう,実際に測定した多くのスペクトルと,一部にはピークテーブルを載せています.......実際にスペクトルを読み進める場面にしたがって構成したのがこの本です"
(本書"はじめに"より)

目次

 はじめに
第 1 章 NMR スペクトルでどんなことがわかりますか?
 1.1 NMR スペクトルとは
  Q1-1 1H-NMR スペクトルでどんなことがわかりますか?
  Q1-2 13C-NMR スペクトルでどんなことがわかりますか?
  Q1-3 二次元 NMR でどんなことがわかりますか?
  Q1-4 試料はどのくらい必要ですか?
  Q1-5 プロトンとカーボンのカップリングは見えないのですか?
  Q1-6 核磁気とは何ですか? どうして観測できるのですか?

第 2 章 初めて NMR スペクトルを見ました
 2.1 1H, 13C の化学シフト
  Q2-1 化学シフトから何がわかりますか?
  Q2-2 化学シフトは置換基の近くから順に並ぶのですか?
  Q2-3 置換ベンゼンの場合は,置換基に近いほうから順に並ばないことがあるのはなぜでしょうか?
  Q2-4 二重結合でも,置換基から近い順にならないことがあるのはなぜですか?
  Q2-5 アルデヒドや三重結合のプロトンは二重結合とはずいぶん化学シフトが違うのはなぜですか?
  Q2-6 水酸基プロトンはどこですか?
  Q2-7 目盛りの数字が右ほど小さいのは違和感があります
 2.2 積分比,等価な核の個数
  Q2-8 何個ずつプロトンがありますか?
  Q2-9 等価な炭素がいくつあるか調べるにはどうしたらよいでしょうか?
  Q2-10 メチレンプロトンはどういうとき非等価に出るのでしょうか?

第 3 章 1H-NMR シグナルの形
 3.1 プロトン-プロトンカップリングの解析法
  Q3-1 カップリングの解析のしかたを教えてください
  Q3-2 分裂線の強度比がパスカルの三角形どおりになりません
  Q3-3 分裂線の間隔が等間隔ではありません
  Q3-4 もっと複雑に分裂しています
  Q3-5 隣にプロトンが一つしかなのに,二重線以上に分裂しています
  Q3-6 ベンゼン環の置換基はわかりました.何位に何が結合しているのかを決められますか?
 3.2 解析できない場合
  Q3-7 余分なピークが見えます.無視してよいですか?
  Q3-8 シグナルがゆがんでいます
  Q3-9 水酸基プロトンが見えていません
  Q3-10 NH のプロトンが見えたり見えなかったりします
  Q3-11 チオールはどうでしょうか
  Q3-12 文献値とどうやって同定すればよいでしょうか?
  Q3-13 高磁場装置にすると何が変わりますか?

第 4 章 二次元 NMR を使いたい
 4.1 1H-1H スピン系のつながり
  Q4-1 COSY はどこから読み始めたらよいのでしょうか?
  Q4-2 隣のプロトンと COSY で相関ピークが出ていません
  Q4-3 相関ピークが多すぎます
  Q4-4 シグナルが重なり合っていて COSY でスピン系をたどれません
  Q4-5 ピークが重なっていて分裂様式が見えません
  Q4-6 デカップリングしたい位置が混んでいます
  Q4-7 分裂様式を一度に調べたい
 4.2 HMQC, HSQC――直結するプロトンとカーボン
  Q4-8 HSQC の結果がプロトンの積分値や DEPT と矛盾してしまいました
  Q4-9 HMQC スペクトルを拡大してもピークが分離できず解析できません
 4.3 HMBC
  Q4-10 どこから手を着けたらよいかわかりません
  Q4-11 HMBC が出るはずのないところどうしに相関ピークが出ています
  Q4-12 カーボンのない位置に相関ピークが出ています
  Q4-13 HMBC の相関ピークが足りません
  Q4-14 ピークの分離が悪くて読めません

第 5 章 平面構造が推定できた後に
 5.1 NOE と J 値――立体化学を決めたい
  Q5-1 立体化学を決めたい.まずすることは何ですか?
  Q5-2 NOESY スペクトルではよく見えません
  Q5-3 NOESY で相関ピークがほとんどありません.どこかまちがっているのでしょうか?
  Q5-4 プロトンとカーボンの位置関係を決めたい
  Q5-5 自由回転する場合, NOE は両方とも出そうです
 5.2 もうすこし証拠を集めたい
  Q5-6 三員環を証明したい
  Q5-7 水酸基も構造解析に使えますか
  Q5-8 炭素どうしのつながりを直接見たい
  Q5-9 見たいシグナルがほかと重なっています.何とかずらせないでしょうか?
  Q5-10 シグナルが重なり合って見えません.分散させられませんか?

第 6 章 水素と炭素以外の核
 6.1 プロトン,カーボンから見る多核
  Q6-1 溶媒シグナルはなぜあんな形なのですか?
  Q6-2 プロトンだけでは分裂様式が説明つきません.ほかにどんな原子核とカップリングしますか?
  Q6-3 水酸基かエーテルかどうやって見分けたらよいでしょうか?
  Q6-4 塩素の結合位置はどこですか?
 6.2 多核を直接測定する
  Q6-5 重水素ラベルしました.ラベル化位置を確認したい

第 7 章 構造解析の実際
 7.1 構造推定までの手順
  Q7-1 一から構造推定する手順を見せてください
  Q7-2 純度が悪くてもいいですか?

付録 主な測定方法
索引
主な 1H,13C の化学シフト