はじめての技術者倫理 未来を担う技術者・研究者のために

北原義典・著
シリーズ:
はじめてシリーズ

はじめての技術者倫理 未来を担う技術者・研究者のために

発行
2015/09/24
サイズ
A5判
ページ数
175
ISBN
978-4-06-156547-0
定価
2,200円(税込)
在庫
在庫あり

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定価
2,200円(税込)

内容紹介

本書は、大学生および大学院生、高専生、さらには若手技術者・研究者を対象とした技術者倫理の入門書です。
技術職・研究職として、さまざまな領域にこれから足を踏み込んでいく皆さんに常識として身につけていただきたい事項を、見開き1項目で簡潔に解説しています。
本書には、以下のように、10個の特徴があります。

1. 技術者倫理に関わる項目をほぼ網羅している。
2. 日本技術者教育認定機構(JABEE)の日本技術者教育認定基準(2010年度~2015年度)にある学習・教育目標(1)の(a)(b)に沿う倫理関連の標準的内容で構成している。
3. 国立高専専門学校機構「モデルコアカリキュラム」にも対応している。
4. 具体例やカラーイラストが豊富で、初心者にもわかりやすい。
5. ビッグデータ、クラウド、生体認証、ドローン、3Dプリンタ、オーグメンテッドリアリティ、人工知能、アンビエントインタフェースなど、最新の技術に関連した倫理的課題についてもとりあげた。
6. 15章構成のため、半年のカリキュラムに相当する15回の講義で読了できる。
7. 倫理を考える際に、反倫理的行為の源泉がどのような人間行動特性に基づくのかという側面から、本質的要因の分析をこころがけた。
8. 技術者倫理分野別規範では、各分野の門外漢にもわかるように、当該分野の基本的技術概説から入るようにした。
9. 各章の扉には、その章で学ぶことを「ダイジェスト」として載せ、予習や復習に役立つようにした。
10. 各章の最後には、学習者に自ら考えてもらうことを目的に、具体的な事例のケーススタディを載せている。比較的新しい事例を選んだ。倫理問題は正解があるものではないが、参考のため、筆者なりの解答例と解説を巻末に載せた。

目次

第1章  技術者の社会的責任と倫理
 1.1 専門職の倫理
 1.2 技術者の社会的責任と技術者倫理
 1.3 倫理と法
 ケーススタディ(地下鉄サリン事件)
第2章 技術者の行動規範 
 2.1 技術者倫理の歴史
 2.2 技術者の行動規範
 2.3 リスク管理
 ケーススタディ(高血圧症治療薬臨床試験データ操作事件)
第3章 研究倫理
 3.1 工業技術と倫理
 3.2 研究者の行動規範
 3.3 研究開発における倫理
 3.4 研究ノート
 3.5 研究費の不正使用
 ケーススタディ(STAP細胞事件)
第4章 説明責任
 4.1 公衆の知る権利と技術者の説明責任
 4.2 説明責任の難しさ
 4.3 リスクコミュニケーション
 ケーススタディ(「もんじゅ」ナトリウム漏れ事故)
第5章 技術情報と知的財産の保護
 5.1 営業秘密と保護
 5.2 知的財産と保護
 5.3 特許の対象
 ケーススタディ(青色発光ダイオード特許訴訟)
第6章 内部告発
 6.1 技術者の二つの立場
 6.2 組織不正の告発
 6.3 内部告発の基準と実態
 ケーススタディ(医療事故内部告発)
第7章 製造物責任
 7.1 製造者の責任と使用者の責任
 7.2 製造物責任法
 7.3 品質管理
 ケーススタディ(カプセル玩具誤飲事故)
第8章 ヒューマンエラー
 8.1 事故原因とヒューマンエラー
 8.2 人間の行動発現モデルとヒューマンエラーの原因
 8.3 ヒューマンエラーのモデル
 8.4 ヒューマンエラーの予防的対策と対処的対策
 ケーススタディ(株大量誤発注事件)
第9章 化学と倫理 
 9.1 化学物質とリスク
 9.2 化学技術への期待とリスク
 9.3 化学物質・化学合成技術のリスク管理
 9.4 化学実験とリスク
 ケーススタディ(米ぬか油症事件)
第10章 ナノテクノロジーと倫理
 10.1 ナノテクノロジーへの社会的期待
 10.2 ナノテクノロジーのもつリスクと対応
 10.3 極小デバイスによるセンシングとトレーサビリティ
 ケーススタディ(粉じん爆発事故)
第11章 バイオテクノロジーと倫理 
 11.1 バイオテクノロジーと倫理
 11.2 動物実験
 11.3 ゲノム解析・遺伝子操作
 11.4 生殖クローン・治療用クローン技術
 11.5 脳科学
 ケーススタディ(天才遺伝子探し)
第12章 情報ネットワーク社会と倫理
 12.1 情報ネットワーク社会における倫理
 12.2 プライバシーの侵害・個人情報の漏えい
 12.3 知的財産権の侵害
 12.4 ネットワーク犯罪
 12.5 ソーシャルメディアにおける倫理
 12.6 情報ネットワーク利用におけるマナー
 ケーススタディ(LINEいじめ)
第13章 情報新技術と倫理
 13.1 ビッグデータと倫理
 13.2 個人認証と倫理
 13.3 バーチャルリアリティ・オーグメンテッドリアリティと倫理
 13.4 人工知能と倫理
 13.5 情報セキュリティの具体的方策
 ケーススタディ(Winny事件)
第14章 環境保全と倫理
 14.1 人間と環境
 14.2 環境・資源問題
 14.3 エネルギー問題
 14.4 環境保全に対する技術者の取り組み
 ケーススタディ(脱ダム政策)
第15章 多様性社会と技術者倫理
 15.1 科学技術と人権
 15.2 ユニバーサルデザイン
 15.3 グローバル化
 15.4 科学技術の多様化
 ケーススタディ(臓器移植報道)

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