栄養教育論 第3版

笠原賀子/川野因・編
シリーズ:
栄養科学シリーズNEXTシリーズ

栄養教育論 第3版

発行
2012/09/20
サイズ
B5判
ページ数
191
ISBN
978-4-06-155374-3
定価
2,860円(税込)
在庫
在庫なし

内容紹介

国家試験ガイドラインに準拠し改訂.
栄養改善学会のコアカリも視野に入れて新しい用語の解説も充実させた.
理論編と実践編から構成され,知識を現場に活かすことも重視したテキスト.


2002 年,栄養士法の一部改正に伴い管理栄養士の定義が明確にされ,人を対象とする職務に対応した新しい養成カリキュラムが実施されました.従来の「栄養指導論」は「栄養教育論」へと名称が改められ,その教育目標には,
・栄養情報の収集・分析,それらを総合的に評価・判定する能力の養成
対象に応じた栄養教育プログラムの作成・実施・評価を総合的にマネジメントできるような健康・栄養教育の理論と方法,特に,行動科学,カウンセリングなどの修得
対象者の状況に応じた栄養教育のあり方,方法の修得
があげられています.これを受け,本書の初版は2003 年に刊行されました.
その後,2010 年12 月には,新しい管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)が公表され,栄養教育論における2 つの大きなねらいが示されました.
○栄養教育の意義および目的に応じた理論と技法についての理解を問う.
○ 社会・生活環境や健康・栄養状態の特徴に基づいた栄養教育の展開についての基礎的な理解を問う.
現在,「食育推進基本計画」ならびに「健康日本21」は第2 次の取り組みを迎え,「特定健診・特定保健指導」も新たな展開を迎えようとしています.
このような,めまぐるしい社会の動向の中で,これから求められる管理栄養士像とは,どのようなものでしょうか.本書は,栄養教育論のねらいとする基礎基本をふまえ,新しい時代に活躍する管理栄養士像を模索しつつ,理論と実践を結びつけられるよう二部構成としています.理論編では,コアとなる基礎・基本について解説し,実践編では具体的な指導案を提示することにより,人の行動変容を促す理論や技術と,科学的根拠に基づく栄養教育の方法を,単なる知識の詰め込みではなく,実践的にマネジメントできる能力を養うことができるように配慮しました.
(まえがきより)

【シリーズ総編集】中坊幸弘/山本茂 
【シリーズ編集委員】海老原清/加藤秀夫/河田光博/木戸康博/小松龍史/武田英二/辻英明 【執筆者一覧】伊藤千夏/稲村雪子/入山八江/大野邦子/大山珠美/小野章史/小野真実/笠原賀子/片井加奈子/金子佳代子/亀井明子/川野因/斎藤トシ子/阪上皖庸/佐藤文代/鈴木惠美子/鈴木貴江子/高橋律子/田中恵子/田村須美子/中谷弥栄子/柳田美子/山香織/由田克士

目次

理論編
1. 栄養教育の概念
 1.1 栄養教育の定義
 1.2 栄養教育と社会の変化
 1.3 栄養指導・栄養教育の法的根拠
 1.4 栄養・食生活と食環境づくり
 1.5 栄養教育に関連する生活指導
 1.6 栄養教育と管理栄養士・栄養士の役割
2. 食行動変容と栄養教育
 2.1 行動科学からみた食行動変容の機序
 2.2 行動変容の基礎となる学習理論
 2.3 個人の態度と行動変容に関する理論
 2.4 個人間の関係と行動変容に関する理論の応用
 2.5 集団や社会の行動変容に関する理論の応用
 2.6 行動変容技法の応用
 2.7 組織づくり・地域づくり
3. 栄養教育実施のための技術
 3.1 コミュニケーション
 3.2 書き方,話し方
 3.3 プレゼンテーション技術
 3.4 カウンセリング
 3.5 コーチング
4. 栄養教育マネジメント
 4.1 栄養教育マネジメント
 4.2 健康・食物摂取に影響を及ぼす要因のアセスメント
 4.3 栄養教育計画
 4.4 栄養教育の実施
 4.5 栄養教育の評価
5. 栄養教育の方法
 5.1 栄養教育の基礎資料
 5.2 栄養教育方法の選択と教育形態
 5.3 教材・媒体の選択と作成
6. ライフステージ,ライフスタイル別栄養教育の展開
 6.1 妊娠・授乳期の栄養教育
 6.2 乳幼児期の栄養教育
 6.3 学童期の栄養教育
 6.4 思春期の栄養教育
 6.5 成人期の栄養教育
 6.6 高齢期の栄養教育
 6.7 傷病者および障がい者の栄養教育
7. 諸外国の栄養教育
 7.1 諸外国の栄養事情
 7.2 先進諸国における栄養教育
 7.3 開発途上国における栄養教育
実践編
1. 指針などを普及するための栄養教育
 1.1 健康日本21(第2 次)
 1.2 食生活指針の「主食・主菜・副菜を基本に食事のバランスを」による 食育(中学校)
 1.3 糖尿病食品交換表
 1.4 栄養成分表示
 1.5 職場における健診・事後指導とあわせた特定健診・特定保健指導の実施
2. 栄養教育に応用できる理論やモデル
 2.1 プリシード・プロシードモデルの実践:児童の減量対策
 2.2 ライフスキル教育の実践
3. 諸外国の栄養教育
 3.1 小学校の総合的な学習における栄養教育:米国のマルチメディア教材「5 A DAY」を活用して
4. テーマ別栄養教育
 4.1 手づくりビデオによる栄養教育(離乳食)
 4.2 調理実習を主体とした栄養教育
 4.3 性格を考慮した減量計画
 4.4 居酒屋の模擬体験による生活習慣病予防教室
 4.5 スポーツ選手のサプリメント教育
5. 特定給食施設における栄養教育
 5.1 事業所給食施設指導
実践編資料