公衆栄養学実習

金田雅代/郡俊之/酒井徹/山本茂・編
シリーズ:
栄養科学シリーズNEXTシリーズ

公衆栄養学実習

発行
2011/10/10
サイズ
A4判
ページ数
142
ISBN
978-4-06-155355-2
本体
2,600円(税別)
在庫
在庫あり

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2,600円(税別)

内容紹介

公衆栄養学の「研究」ができるようになるための実践書.
学生実習のみならず現場研究にも大いに役立つ1冊.
 

 栄養学は,人の健康を目指すための学問である.基礎栄養学,生理学,生化学,公衆衛生学,食品学などは,そのための基礎分野と考えられる.一方,臨床栄養学,調理学,給食経営管理論,応用栄養学,栄養教育論,公衆栄養学などは現場で活用する知識を学ぶものである.これまで,日本の管理栄養士の現場における研究は,勘や経験に頼ったものが多く,科学的・論理的な根拠に欠けることが多かった.そのおもな原因は,現場は人の生き様そのものを改善していくことであるために,多用な因子が絡んでおり,研究方法が複雑になるためであろう.特に集団を対象とする公衆栄養学の分野の研究は,難しさが如実に現れてくる.これまでに発表された多くの研究内容で,手法・解釈が不適切であったものも多い.では,公衆栄養学での研究は手におえないほど難しいものであるかというと,そうではない.これまでに,管理栄養士を対象にして,研究の現場に即してわかりやすく教える教材がほとんどなかったためであろう.
  研究にあたり,勘や経験だけでは説得できない客観的な評価を求められるため,その技法を知らなくてはならない.最たるものは,統計であろう.本書では,公衆栄養学分野における栄養調査技術を学ぶと同時に,公衆栄養学分野の研究に必要な統計処理の技法を学ぶ.本書は学生実習だけでなく,すでに現場で活躍する管理栄養士,栄養士,栄養教諭などにも活用してもらえるよう強く意識して作成した.
  実習はだいたい2つ用意している.各養成校での進み具合にあわせ適宜選択してほしい.なお,公衆栄養学の中で栄養教育の計画と実施にあたる部分は栄養科学シリーズNEXT「栄養教育論実習」でくわしく学習できるよう,本書とは住み分けをはかっている.
 本書の活用により,管理栄養士・栄養士が現場研究を円滑に実施し,論文を作成するうえで役に立てば,これ以上の喜びはない.(まえがきより)

【シリーズ総編集】中坊幸弘/山本茂 
【実験・実習編担当委員】岡崎眞/片井加奈子/加藤秀夫/桑波田雅士 
【執筆者一覧】市川陽子/梯紋子/金田雅代/川野因/草間かおる/國井大輔/久野一恵/久保田恵/郡俊之/小切間美保/酒井徹/佐野文美/猿倉薫子/澤村恭子/鹿内彩子/清水行栄/志村二三夫/田栗(福田)恵美子/竹市仁美/垂水千恵/巴美樹/冨金原未奈/松尾知恵/柳沢香絵/山口敦子/山本茂/脇川典子

目次

0. 公衆栄養学研究とは
 0.1  公衆栄養学分野の研究
 0.2  PDCAサイクル
 0.3  Plan(プラン)
 0.4  Do(実施・実行)
 0.5  Check(点検・評価)
 0.6  論文作成
【研究計画編】
1. 文献検索法
 1.1  国際論文検索サービスPubMedの利用方法
 1.2  日本の論文検索サービスCiNiiの利用方法
2. 研究デザイン
 2.1  観察研究
 2.2  介入研究
3. 栄養調査日数
 3.1  エネルギーと栄養素の摂取量のばらつきを考える
 3.2  不連続の3日間の栄養調査が推奨される理由と大規模の1日栄養調査の意味
 3.3  栄養調査に必要な日数の計算
4. サンプルサイズの計算
 4.1  横断研究の場合
 4.2  介入研究の場合
5. サンプル抽出法
 5.1  Excelを用いる方法
 5.2  層化抽出法
 5.3  集落抽出法
6. 倫理審査,インフォームドコンセント,研究計画書
 6.1  倫理審査と倫理審査委員会
 6.2  インフォームドコンセント
 6.3 研究計画書
【栄養調査編】
7. 24時間思い出し法
 7.1  24時間思い出し法の実際
8. 秤量記録法(実測法)
 8.1  調理前から調査できる場合:家庭料理,学校給食,病院給食など
 8.2  出来上がった料理からの計算
9. 食物摂取頻度調査法
 9.1  食物摂取頻度調査法の実際
 9.2  簡便なFFQで習慣的な摂取量がわかるしくみ
 9.3  食品群別リストを用いたFFQ
10. 質問表の作成法
 10.1  質問表による調査
 10.2  テーマの設定
 10.3  調査票の構成
11. 生活活動時間調査によるエネルギー消費量測定
 11.1  生活活動記録によるエネルギー消費量の算出
12. 食事摂取基準の活用法
 12.1  事例:タンパク質の摂取基準
【データ処理編】
13. データ入力,図表作成:平均値と標準偏差を知る
 13.1  平均値と標準偏差をグラフで示す
 13.2  平均値と標準偏差から差の有無を検討する
14. 質問票の整理
 14.1  質問票による調査の結果を整理する
 14.2  要因の区分の仕方
 14.3  結果をまとめる
15. カイ2乗検定
 15.1 χ2値による2変数の検定
 15.2 Excelを用いたときの算定の手順
 15.3 3変数以上の検定
16. オッズ比
 16.1  オッズ比の求め方
 16.2  オッズ比の計算例
17. 相関関係と回帰直線
 17.1  散布図と相関係数
 17.2  散布図と回帰直線を表示させる
18. 2群の平均値の比較:対応のあるt検定と,対応のないt検定
 18.1  対応のある2群での比較
 18.2  対応のない2群での比較
 18.3  介入前後の結果のまとめ:対応のあるt検定と対応のないt検定
19. 3群以上の多重比較
 19.1 統計ソフトでの計算手順の例
【論文作成編】
20. 論文の書き方
 20.1  研究計画(プロトコール)と論文
 20.2  具体例をもとにした論文作成のポイント
【資料編】
 目安量・重量換算表
 調味料・油脂・砂糖類 目安量・重量換算表
 調味料の割合・吸油率表

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