絵でわかる地震の科学

井出 哲・著
シリーズ:
絵でわかるシリーズ

絵でわかる地震の科学

発行
2017/02/24
サイズ
A5
ページ数
191
ISBN
978-4-06-154781-0
定価
2,420円(税込)
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内容紹介

日本人ならだれもが経験しているが、ほとんど理解されていない地震。どこで起こる? 発生メカニズムは? 予知はなぜ難しい? 地震の科学の最新成果をカラー図版で解説する。変動し続ける地球のしくみに迫る!

目次

はじめにiii

第1章 地震はどこまでわかっているのか?
1.1 地震を理解するこころみ
怖いから知りたい地震
ナマズの仕業か天罰か?
1.2 近代地震学の誕生
弾性波としての地震
明治維新と日本地震学の黎明
地震と断層の関係
1.3 世紀の地震学の発展
地震波の向きと断層の向き
世界大戦がもたらしたもの
定量的地震学の時代
1.4 現代の地震の科学
震源の物理的な理解
デジタル時代の地震の科学

第2章 地震とは何か?
2.1 地震のプロセスと規模
「地震」の揺れをさかのぼる
大きな地震とは?
2.2 地震動の尺度「震度」
震度4の地震?
揺れを震度に結びつける
計測震度
2.3 正確に地震動を測る
地震計で測る
さまざまな地震計測
最大の地震動
2.4 破壊すべりとその大きさ
震源=破壊すべり
破壊すべりの例
2.5 震源のマグニチュード
震源の大きさ
マグニチュードの不正確さ
2.6 破壊すべりと地震モーメント
破壊すべりの大きさ
モーメントとは何か?
コラム(1) 地表地震断層を見に行こう

第3章 地震を"視る"技術
3.1 地震波とは
実体波と表面波
P波とS波
表面波
3.2 日本と世界の地震観測網
日本の高感度地震観測
さまざまな地震観測
世界の地震観測
3.3 地殻変動で見る地震
日本の地殻変動観測
地殻変動を面的にとらえる技術
その他の地殻変動観測
3.4 地震観測からわかること①――破壊開始点と地震の全体像
大森の公式から震源決定へ
断層の向きと地震波の振動
地震モーメント推定
3.5 地震観測からわかること②――詳細な破壊過程
断層すべりモデル
すべりの時間発展
コラム(2) 地震波観測で地球内部を視る

第4章 地震の原動力
4.1 プレートの運動と地震の場所
地震のエネルギーの根源
世界のプレート
プレート境界と地震
4.2 プレート境界の種類と地震の起こり方
海嶺と正断層地震
海嶺系をつくる横ずれ断層
沈み込み帯のさまざまな地震
4.3 日本を取り囲むプレートとさまざまな地震
日本はどのプレートの上にあるのか
東北日本の典型的な島弧沈み込み
西南日本の沈み込みと地震
4.4 プレート運動以外の地震の原動力
火山と地震の関係
火山性低周波地震は何を表すのか
潮汐は地震を引き起こすか
コラム(3) 月の地震

第5章 震源では何が起きているのか?
5.1 破壊と摩擦と地震波
地震波は断層破壊のおつり
地震の破壊はせん断破壊
破壊もしくは摩擦すべりの進展
5.2 摩擦の真実と地震発生
最も単純な地震のモデル
摩擦とは何なのか? 接触とはどういう状態か?
最先端の摩擦法則
地震発生の前後に何が起こるか?
5.3 破壊すべりと水と熱
水は断層を弱くする
断層面は溶けるのか?
リアルな断層のフラクタル構造
断層近傍で起きていること
5.4 高温・高圧下での地震発生
深さによる地震発生環境の変化
鉱物脱水と地震発生
奇妙な深発地震
コラム(4) 地震発生帯を掘る

第6章 地震の大きさと速さ
6.1 地震はどこまで小さくなるか?
地震の数は増えている?
きわめて小さな地震のようなもの
南ア金鉱山の地震観測
破壊すべりの相似性
6.2 地震のスケール法則
地震のサイズの支配法則
地震のエネルギーのスケール法則
スケール法則の限界
スケール法則の例外と津波地震
6. 3地震の大きさと頻度
地震発生数の相場
GR則の意味するところ
小地震は大地震の代わりになるか?
6.4 見えてきた「ゆっくり地震」
静かな地震
ノイズに埋もれていた微動
ゆっくり地震とは何か
ゆっくり地震の支配法則
コラム(5) 理論上最大の地震

第7章 地震活動と複雑系
7.1 前震・本震・余震
前震はいつも起こるのか
余震の起こり方にはルールがある
群発地震の正体
7.2 地震のトリガリング
誘発される地震
地震の誘発パターン
すべての地震は誘発地震?
全世界規模の地震誘発
7.3 ゆっくり地震の地震活動
じわじわと広がる微動
潮汐によって動くプレート境界
SSEと地震活動
7.4 地震と複雑系
GR則はどうやって生まれるのか?
単純な構造の物理モデル
砂山モデルの振る舞い
自然にテンパる地震活動?
コラム(6) 恐怖の「べき法則」

第8章 地震と震災
8.1 強地震動発生の仕組み
破壊すべりが生みだす危険な方向
横ずれ断層の方位依存性と衝撃波
断層の上と下で異なる危険度
地震動距離減衰式
8.2 強震動と地盤
地震動は地盤が決める
盆地における増幅
液状化現象
地すべり
8.3 強震に伴う地形の変化
地表変形による災害
地震と長期の土地の変形
地表地震断層の周辺の被害
8.4 強震と津波
津波生成のメカニズム
津波の増幅と遡上
津波の痕跡を調べる
コラム(7) 人が起こす地震

第9章 将来の地震についてわかること
9.1 日本と世界の地震予知計画
地震予知の先駆者たち
1960年代からの「地震予知研究計画」と「東海地震」
ダイラタンシー拡散仮説
地震予知幻想の終焉
9.2 いつも同じ地震が繰り返すのか?
繰り返す巨大地震
繰り返し地震の予測①――釜石の場合
繰り返し地震の予測②――パークフィールドと東北沖の場合
9.3 地震の予測はなぜ難しいか?
破壊すべりの予測可能性
固有性と階層性
確率的地震予測はどうあるべきか?
9.4 地震の前兆現象は予測に使えるのか?
プレスリップの可能性
地震活動に見られる前兆
前兆をどのように生かすか?
コラム(8) 確率予測は当たったのか?

参考文献
索引