X線・光・中性子散乱の原理と応用

橋本竹治・著

X線・光・中性子散乱の原理と応用

発行
2017/08/28
サイズ
A5
ページ数
415
ISBN
978-4-06-154397-3
定価
7,700円(税込)
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内容紹介

第一人者による待望の書。ていねいな解説+豊富な応用例! 散乱強度分布からどのようにして内部構造が解析できるのかという 基本的なことからわかる。各章末のノートやwebに公開の付録なども充実。

目次


序章

第I部 基礎編
第1章 X線・可視光・中性子の散乱機構の比較
1.1 X線と可視光線
1.2 中性子
1.3 X線散乱,光散乱,中性子散乱の散乱機構の比較

第2章 散乱波の干渉とBorn近似:波動力学に基づく散乱の記述
2.1 散乱現象の場の理論(光学理論)
2.2 Schrödingerの波動方程式
2.3 自由空間での波動方程式とその特解:平面波と球面波
2.4 ポテンシャル場の中の波動方程式:波動の散乱とBorn近似
2.5 Born近似の成立する条件
2.6 Schrödinger波の微分散乱断面積

第3章 X線・可視光の散乱
3.1 電磁波に関するMaxwellの基礎方程式
3.2 電磁波の基本的性質
3.3 電磁波の散乱に関する基礎方程式
3.4 電磁波の散乱に対するBorn近似:振動双極子による散乱

第4章 X線・可視光に対する電子のふるまいの相違:Thomson散乱とRayleigh散乱
4.1 電磁波に対する電子の周波数応答
4.2 X線の散乱:自由電子による散乱
4.3 可視光の散乱:束縛電子による散乱
4.4 微分散乱断面積と散乱長

第5章 散乱による電磁波の偏光と光散乱における光学異方性の寄与
5.1 偏光した入射波の散乱
5.2 未偏光入射波の散乱と偏光因子
5.3 光散乱における光学異方性の寄与と偏光解消成分

第6章 散乱波の干渉とRayleigh‐Gans‐Born‐Debye近似
6.1 散乱波の干渉と合成
6.2 構造振幅と構造:逆空間と実空間
6.3 構造因子と自己相関関数:Fourier変換の数学と逆関係の物理
6.4 粒子内干渉と粒子間干渉

第7章 逆関係の現象の物理
7.1 微粒子の散乱
7.2 均一物質の散乱
7.3 有限な寸法をもった物質の散乱
7.4 周期構造:結晶格子の回折
7.5 散乱体の形状の異方性と散乱像の形状の異方性

第8章 構造因子:構造のFourierスペクトル強度分布
8.1 一般論
8.2 散乱強度分布と物質内部構造の階層性

第II部 X線・中性子散乱(等方性散乱)
第9章 孤立粒子の散乱
9.1 球対称粒子からの散乱
9.2 球からの散乱
9.3 回転楕円体からの散乱
9.4 円柱状粒子からの散乱
9.5 高分子鎖(ランダムコイル)からの散乱
9.6 孤立散乱体からの散乱のまとめ:漸近挙動とクロスオーバー,断面の回転半径,Lorentz因子

第10章 ゆらぎと散乱:散乱の統計理論と散乱体の統計的評価
10.1 Debye‐Buecheの統計的理論
10.2 統計的パラメータの実験的評価法
10.3 統計的パラメータと構造
10.4 非球対称粒子の空間分布と空間相関関数
10.5 回転半径とその応用
10.6 理想2相構造の散乱と微分パラメータ
10.7 擬2相構造の散乱と界面構造の評価
10.8 界面曲率の評価
10.9 粒子内部の不均一が散乱に及ぼす効果

第11章 粒子間干渉効果(その1:液体)
11.1 一般的記述
11.2 最近接粒子間距離が一定の粒子集団の散乱
11.3 液体中における粒子間干渉効果:Zernike‐Prins, Debye‐Menckeの一般式
11.4 Debyeの剛体球
11.5 非晶質の散乱における粒子間干渉効果
11.6 Percus‐Yevickの剛球体
11.7 粘着性剛体球モデル

第12章 パラクリスタル格子・超格子の回折
12.1 格子の乱れ
12.2 熱振動の効果:Debye‐Waller因子
12.3 パラクリスタル格子による回折の一般論
12.4 1次元パラクリスタル
12.5 3次元パラクリスタルの格子因子
12.6 パラクリスタルの散乱強度
12.7 パラクリスタルの回折像の広がり
12.8 パラクリスタル結晶の寸法と第2種の乱れが回折像の広がりに及ぼす効果
12.9 パラクリスタル回折理論の応用

第13章 フラクタル構造による散乱
13.1 マスフラクタル構造による散乱
13.2 表面フラクタル構造による散乱

第14章 階層構造と複合散乱法
14.1 複合散乱法
14.2 ナノ複合体の階層構造の現象論的解析
14.3 セルロース生産バクテリア(酢酸菌)のその場観察

第III部 光散乱
第15章 固体・凝集体からの光散乱
15.1 固体・凝集体からの光散乱の特徴
15.2 基礎理論とその限界
15.3 光学異方性固体・凝集体からのRayleigh‐Gans散乱
15.4 種々の高次構造とその光散乱像

第16章 実験装置および方法
16.1 2次元検出器を用いる方法
16.2 強度法
16.3 偏光光散乱測定の原理
16.4 補正因子

第17章 ゆらぎによる光散乱
17.1 密度のゆらぎによる光散乱
17.2 光学異方性のゆらぎによる光散乱

第18章 フィブリル状組織による光散乱
18.1 散乱体モデル
18.2 未配向系の散乱

第19章 球晶組織による光散乱
19.1 完全球晶による光散乱
19.2 実在の球晶の不完全性が散乱に及ぼす影響
19.3 球晶のリング構造による広角弧状散乱極大

第20章 光学異方性高次組織の超構造と散乱
20.1 光学異方性フィブリル状組織の超構造
20.2 シーフ状結晶性高次構造の列状超構造

付録1 電磁波に関するMaxwellの方程式について
付録2 第8章8.1節で示した一般論の具体例:ブロック共重合体のラメラ状ミクロドメイン
付録3 第9章 孤立散乱についての補足
付録4 第10章 ゆらぎと散乱:散乱の統計理論と散乱体の統計的評価についての補足事項
付録5 粒子間干渉効果(その2:固体)
付録6 パラクリスタルの回折像の形状
付録7 ナノ複合体の階層構造の物性論的解析
付録8 複合光散乱像

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