あなたの液クロ正常ですか?

松下至・著

あなたの液クロ正常ですか?

発行
2010/12/20
サイズ
A5判
ページ数
141
ISBN
978-4-06-154331-7
本体
2,800円(税別)
在庫
在庫無し

内容紹介

クロマトを日常使う人の最大の悩み,正常に作動しているか,点検はどうするか,異常を認めたときの対処法は,などに経験豊富な著者が答える実用的ガイドブック.

"液体クロマトグラフィーが誕生してから 1 世紀が経ち,当初,M.S. ツウェットが行った実験技法は科学者達たちにより,幾年にもわたり,改良改善され,今日の自然科学研究にはなくてはならない測定装置になった.今後も環境研究分野や医療分野への活用が期待されている.また,近年はクロマトグラフィーの有効活用として,成分の生理活性度や分子構造解析のために分取用の液体クロマト装置も脚光をあびてきている.液体クロマトグラフ(装置)は現在,世界中の研究機関に所狭しと導入され,研究にはなくてはならない装置になり,日々稼動している.その装置の性能は導入当初と変化はないのか,劣化度合はどうなのか,実験者にとっては心配な所である.
 現実的には新規導入当時に比べて,年々多少とも性能(測定感度と分離性)は下がってくる.その性能の度合いを実験者が把握できれば,安心して液体クロマトグラフを利用して,正確なデーターを得る事ができる.
 筆者はクロマト装置を何台か壊し,そしてメーカーの技術者と協力して治し,また改良もしてきた.その度に,クロマトグラフィクパラメーター(流速,感度,理論段数等)で検定してきた.現在では,小型のクロマト装置は自作するようになった.この際も上述の検定法が必要であった.このような経験を基に,本書はその判定技法をメインとして第 2 章に記したけれども,液体クロマトグラフィーを現在使用している実験者,今後活用しようとされている方々にも理解しやすいように,第 1 章で液体クロマトグラフィーの序章を記し,導入部とした.第 3 章はクロマトグラファーのノウハウで,日々の実験ですぐに利用できそうなクロマト技法のコツを記した.
 第 4 章では自らの HPLC をグレードアップしたい際の具体的な技法の説明を記した.
 クロマトグラフィーの理解力を上げたり,知識を広めたりするために,クロマト解説,クロマト Box も挿入した.(本書序文より)"

目次

第 1 章 液体クロマトグラフィーの序章
 1.1 クロマトグラフィーと創始者 M.S. Tswett
 1.2 液体クロマトグラフィー装置とカラム
  1.2.1 液体クロマトグラフィー用装置
  1.2.2 測定方法
      A. 内部標準法
      B. 絶対検量線法
      C. 自動積分法
      D. 検量線による定量方法
 1.3 クロマトグラフィーによる分離に関する基本的事項
  1.3.1 理論段数(N)
  1.3.2 理論段数の高さ(H)
 1.4 液体クロマトグラフの設置と配管
  1.4.1 設 置
      A. 温調コントロールがきく所
      B. 歪みのない台の上に設置
  1.4.2 配 管
      A. 配管の種類について
      B. サイズの違うパイプへの接続
      C. 実際のクロマト装置の配管
      D. 電気配線とアース
 1.5 溶離液作成部
  1.5.1 HPLC の溶離液の作り方
      A. 有機系の溶媒の作り方
      B. 水溶液の溶媒の作り方
  1.5.2 グラジエント溶出装置
 1.6 液体クロマトグラフィーの送液部
  1.6.1 運転とエア抜き
  1.6.2 日常保守
 1.7 液体クロマトグラフィーの検出部
  1.7.1 吸光光度法の基礎法則
  1.7.2 日常保守
 1.8 カラム―分離の中心
  1.8.1 カラムの材質と構造
  1.8.2 充填剤の材質と種類
      A. 吸着,分配系カラム
      B. イオン交換カラム
      C. ゲルろ過クロマトグラフィーのカラム
      D. 吸着,分配クロマトグラフィーのカラム
  1.8.3 カラムのメンテナンス
 1.9 液体クロマトグラフィーのレコーダー
 1.10 フラクションコレクター
 1.11 液体クロマトグラフィーを使いこなすための備品

第 2 章 HPLC は正常か
 2.1 流路の点検
  1 カラムの圧力が変なのか,流路なのかを判断するためのチェック
  2 流路フィルターのチェック
  3 流路配管のチェック
  4 サクションフィルターのチェック
  5 サンプルインジェクターのチェック
  6 カラム圧のチェック
  7 検出器の流路のチェック
  8 フラクションコレクターの流路
 2.2 カラムの性能評価技法
  1 カラムの圧力上昇の判定
   A. プレカラムのチェック
   B. 本カラムの洗浄
  2 カラムの分離能の評価
   A. 理論段数について
   B. 理論段数の高さ
   C. 分離度の理解
 2.3 検出器の検定法
  1 紫外吸収検出器(UV 計)
   A. 反射ミラーの劣化
   B. アースへの接続不良
   C. 内部の半導体,増幅器などの劣化
   D. ランプの劣化
  2 屈折率検出器(RI 検出器)
   A. 検出器内のセルの目詰まり
   B. 内部の基盤劣化とアースへの接続
   C. ランプの寿命
  3 蛍光検出器
   A. ランプの劣化
   B. 内部の基盤劣化とアースへの接続
  4 電気伝導度検出器
 2.4 送液ポンプの判定技法
  1 ポンプシールの不良
  2 チェックバルブの不良
  3 送液ポンプの駆動部の異常
  4 ポンプに気泡が入って抜けないとき
 2.5 グラジエント装置の判定技法
 2.6 脱気装置の判定技法
 2.7 レコーダー(クロマトパックも含む)の判定技法
 2.8 ミキサーの判定技法
 2.9 リサイクル装置の判定技法
 2.10 インジェクター(オートインジェクターも含む)の判定技法

第 3 章 クロマトグラフィーのノウハウ
 3.1 試料の前処理技法
  1 抽出法とろ過に関して
  2 遠心分離器の活用
  3 HPLC 用メンブレンフィルターの利用法
  4 試料と HPLC 溶離液との関係
  5 HPLC 注入用マイクロシリンジのメンテナンス
  6 充填剤カートリッジの有効活用
  7 プレカラムの有効活用
  8 試料の保管
 3.2 分離カラムの処置法
  1 ゲルろ過クロマトグラフィーのカラムの洗浄法
 3.3 カラムへの充填剤の詰め方
  1 精密分析用(高圧カラム)
  2 分取を目的とするカラム(中圧,低圧)
   A. ゲルろ過クロマトグラフィー
   B. 吸着,分配,イオン交換カラム(低圧)
 3.4 グラジエントミキサーについて
 3.5 流路配管
 3.6 有効な分取技法-リサイクルクロマトグラフィー
 3.7 検出器に関して
 3.8 試料のくふう
 3.9 HPLC の溶離液とポンプ関連
 3.10 交換容量の計算法
      A. イオン交換樹脂の前処理
      B. 測定法
      C. 計算方法

第 4 章 HPLC をグレードアップしよう
 4.1 HPLC のオートサンプラー
 4.2 液体クロマトグラフィーのフラクションコレクター
 4.3 クロマトグラムの 3 次元処理
 4.4 LC-MS
 4.5 検出器のグレードアップ
 4.6 HPLC にリサイクル装置を付けよう
 4.7 ミニ加圧クロマト装置の試作
 4.8 ペリスターポンプの活用
 4.9 クロマトグラフィーのデータ処理ソフト
 4.10 カラムのスケールアップ
 4.11 カラムのグレードアップ(ODS カラムのクロマトデータ活用)

クロマト解説
1 イオン交換と自然現象
2 ペーパークロマトグラフィー
3 薄層クロマトグラフィー
4 なぜ,逆相系カラムにおいて,ほかの酸に比べてTFA(トリフルオロ酢酸)が汎用されるのか
5 溶離液の正確な作成に必要な濃度計算法
6 順相クロマトグラフィーの長所と短所
7 吸着クロマトグラフィーと分配クロマトグラフィー
8 イオンペアクロマトグラフィー
9 カラム判断表
10 ODS 充填剤の性能評価
11 検出器不調の際のチェックシート
12 ゴーストピークとグラジエント溶出法
13 分離能を上げる方法
14 充填剤の粒径の調整技法
15 ポリスチレン樹脂にスルホン酸基を結合させる方法
16 放射性元素分析とイオン交換クロマトグラフィー
17 アミノ酸自動分析計
18 クロマトグラフィーの自動化(日本の研究者の活躍)
19 クロマトグラフィーの価値を認め日本に最初に導入したのは誰か
20 HPLC における分析と分取クロマトグラフィーとの関係

クロマト Box
1 クロマトグラム上の術語
2 溶離液の変化を抑えるくふう
3 特異的な検出器
4 充填剤の粒径,mesh とμm との関係
5 イオン交換樹脂の略記について
6 排除限界
7 シリカゲルと ODS シリカの表層の差異
8 分配クロマトグラフィーにおける極性について
9 充填剤に成分をより保持させたい場合
10 ODS カラムは万能か?
11 合成樹脂の架橋度
12 イオン交換カラムで,もっと目的成分を保持させてほかの成分を洗浄したい場合

液体クロマトグラフの正常化に役だつ参考書

索 引