バイオ実験 安全ガイドブック

田村隆明・著

バイオ実験 安全ガイドブック

発行
2012/11/20
サイズ
A5判
ページ数
255
ISBN
978-4-06-153885-6
定価
3,190円(税込)
在庫
在庫無し

内容紹介

生命科学系の研究者・学生必読の安全ガイドブック。
危険な試薬の管理・廃棄のサポートはもちろん、オートクレーブ・パワーサプライなどの機器操作をはじめ、液体窒素・紫外線などを使用する要注意操作の注意点まで、細かいコツや事故が起こった際の対応もあげて丁寧に解説する。
動物実験やRI実験など、バイオ分野ならではの特殊な実験についても網羅。
さらには、バイオ実験に関連する法規など、役に立つ巻末資料も充実。

目次

1部 安全なバイオ実験のための予備知識
1章 実験室では事故が起こる
 1.1 事故発生のメカニズム
 1.2 事故の被害のパターン
 1.3 事故のレベル
2章 事故の種類と運営上の注意点
 2.1 傷病(外傷・疾病)
 2.2 実験材料の変質と喪失
 2.3 設備・機器の故障や事故
 2.4 環境に負荷を与える事故
 2.5 保安上の事故(盗難・破壊)
 2.6 規則や倫理からの逸脱
 2.7  コミュニケーションやパーソナリティにかかわる問題
3章 事故への備えと対応
 3.1 バイオ実験のための身支度
 3.2 災害への備えと対応(火災・地震)
 3.3 インフラに関するトラブル(水道・電気・空調)
 3.4 閉じ込め事故と窒息事故
4章 バイオ実験に関連する傷病と応急処置
 4.1 外傷(火傷・凍傷・切傷など)
 4.2 化学物質の皮膚への付着
 4.3 粘膜や目への傷害
 4.4 ピペッテイングに伴う誤飲
 4.5 酸素欠乏と有毒ガス

2部 バイオ実験で使用する危険・有害物質
5章 危険・有害な化学物質
 5.1 危険な物質と有害な物質の4大別
 5.2 危険物の分類と取り扱い
 5.3 高圧ガスの分類とボンベの取り扱い
 5.4 有毒物質(毒物・劇物)の分類と取り扱い
 5.5 環境汚染物質
6章 人体に特異的な影響を及ぼす物質
 6.1 発がん物質
 6.2 感作性物質(アレルギーを起こす物質)
 6.3 特異的病状や胎児・生殖能に影響を及ぼす物質
 6.4 バイオ実験で使われる生物由来の毒性物質
7章 薬品の管理
 7.1 購入・保管の注意とポイント
 7.2 危険物と有毒物質の保管
 7.3 経時変化しやすい物質の保存
 7.4 安全確保(保護具・ドラフト)と薬品の汚染・劣化防止
 7.5 上手な薬品管理システム
8章 実験室から出る有害物質と廃棄物の抑制
 8.1 環境へ出される物質の法令による管理
 8.2 環境汚染物質の分類と要注意物質
 8.3 実験室から出る廃棄物の概要
 8.4 廃液の保管と処理
 8.5 固形の有害廃棄物の処理
 8.6 事業系一般廃棄物
 8.7 PRTR法(報告・届け出の義務)
 8.8 実験室の省エネ・省資源,環境保全努力

3部 バイオ実験で注意を要する機器と操作
9章 バイオ実験室の一般的設備や環境とその維持
 9.1 実験室のインフラ(電気・ガス・水道)
 9.2 実験室の空気環境
 9.3 実験台・床・流しについてのポイント
 9.4  特殊実験室(低温室・恒温室・培養室・シールドルームなど)
10章 機器と器具の安全な使用法
 10.1 遠心分離機(遠心機)
 10.2 超遠心分離機(超遠心機)
 10.3 オートクレーブ
 10.4 電源装置(パワーサプライ)と電気泳動装置
 10.5 オーブン(乾熱滅菌器など)
 10.6 減圧装置・真空装置
 10.7 大型の振盪機
 10.8 ドラフトチャンバー
 10.9 クリーンベンチ
 10.10 冷凍庫(フリーザー)
 10.11 超低温槽(ディープフリーザー)
 10.12 天秤
 10.13 pHメーター
 10.14 光学顕微鏡
 10.15 チップ脱着式ピペッター
 10.16 ソニケーター(超音波発振器)
11章 バイオ実験で見られる危険な事象,危険な操作
 11.1 危険な事象(飛散・破裂・突沸・静電気)
 11.2 減圧操作と加圧操作
 11.3 マウスピペッティング
 11.4 ガラスを扱う
 11.5 電気を扱う
 11.6 紫外線を扱う
 11.7 寒剤を扱う(ドライアイス・液体窒素など)
 11.8 危険回避のために身につける物
12章 放射性物質や放射線を用いる実験での注意
 12.1 バイオ実験で汎用されるRI
 12.2 RIの入手・管理と施設への入退室
 12.3 RI実験室での事故(汚染・被ばく)と貯水タンクのトラブル
 12.4 放射線障害

4部 注意すべき生物個体使用実験13章 感染症を起こす病原体
 13.1 ヒトの病原体(ウイルス・細菌からプリオン・毒素まで)
 13.2 病原体との接触・感染と予防
 13.3 病原体のクラスとバイオハザード
 13.4 特定病原体等:法的拘束のかかるもの
 13.5 病原体を抑える(殺菌・消毒・静菌・滅菌)
14章 生物個体を扱う(動物実験・植物実験)
 14.1 生物個体を使用する実験の意義と課題
 14.2 動物実験のガイドライン(3R)
 14.3 動物実験の実施基準(飼育室・動物の維持管理・実験措置など) 
 14.4 動物を扱う場合の危険
 14.5 生物の国内持ち込みや輸入に関する注意

5部 研究室を安全に維持するための目標
15章 研究室,実験室のセキュリティ
 15.1 構内・建物・実験室への立ち入り管理
 15.2 私物・試料・データを盗難や停電から守る
 15.3 情報の漏洩を防ぐ
16章 倫理観の欠如や人間関係の悪化が招く危機
 16.1 研究上の不正行為(捏造・盗用など)と防止策
 16.2 実験室での人間関係の悪化
17章 事故を起こさない・事故にあわないための心構え
 17.1 準備に万全を期す(計画立案・情報収集・模擬実験) 
 17.2 「事故発生パターン」を知っておく
 17.3 危険を察知できる勘を養う
 17.4 一人きりでの実験は避ける
 17.5 ルールを守る
 17.6 「もしも」のときの対応を確認する  

付録1 ヒト材料取り扱いの注意と倫理
 1.1 ヒトの実験用試料に潜む危険:病原体の存在
 1.2 ヒト試料を扱う場合の倫理基準 

付録2 遺伝子組換え実験
 2.1 遺伝子組換え実験とは
 2.2 遺伝子組換え実験の種類
 2.3 DNA組換え実験と実験分類
 2.4 微生物使用実験での遺伝子組換え生物の拡散防止と必要な実験設備
 2.5 その他の実験での拡散防止措置
 2.6 拡散防止措置レベルを決める
 2.7 保管・運搬・譲渡
 2.8 実験者の義務や諸手続

付録3 バイオ実験に関連する法規
 資料1 安全,健康,環境,バイオ実験に関する法規など(抜粋)
 資料2 毒物および劇物の種類
 資料3 特定化学物質障害予防規則(特化則)で指定される化学物質
 資料4 有機溶剤中毒予防規則(有機則)で指定される有機溶剤と
     管理濃度
 資料5 バイオ実験で汎用される危険物の指定数量
 資料6 PRTR法指定化学物質
 資料7 感染症法の成立から病原体等安全管理規定制定までの経緯