新版 臨床免疫学 第3版

山田俊幸/大戸斉/渥美達也/三宅幸子/山内一由・編

新版 臨床免疫学 第3版

発行
2014/12/25
サイズ
B5判
ページ数
336
ISBN
978-4-06-139841-2
本体
5,400円(税別)
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内容紹介

コメディカルに最適なテキスト。免疫学の基礎から疾患との関わり、検査、実習でのポイントもわかりやすい。免疫学初心者を念頭に、わかりやすい記述を心がけた。平成27年版臨床検査技師国家試験出題基準準拠の改訂版。

 本書は6年前に刊行された「新版臨床免疫学第2版」をさらに改訂したものである.
 今回の改訂にあたっては,執筆者を一部交代し,それぞれの分野,項目での最新の知見を執筆いただいた.また,編者代表が交代したこともあり,本書の理念を再確認して改訂に臨んだ.その理念は本書の特徴でもあり,以下に記させていただく.
1.基礎免疫学の教科書でもあること.そのために,基礎医学の分野で活躍されている方々に執筆いただいた.難しいイメージのある基礎免疫学をわかりやすく解説いただいた.
2.臨床的事項については,記載量が限られるが充実した内容であること.そのためにこれも第一線の臨床家の方々に執筆いただいた.各検査が臨床にどう利用されているかを感じとっていただきたい.
3.技術的な記載に優れ,実習書としても使えること.そのために教育機関の専門家の方々に執筆いただいた.
4.臨床検査技師国家試験に対応していること.そのために,内容,用語などは平成27年から導入される臨床検査技師国家試験出題基準に沿うよう留意した.また,知識整理のための問題を一新した.
 編集にあたって感じたのは,検査技術における教科書や教育現場で扱うものと,医療現場で扱うものとの乖離である.肉眼的沈降反応や凝集反応を学習する必要性は疑いないが,医療現場においてはほとんど目にすることがなくなり,定性法は着色を判定するイムノクロマトグラフィ,定量法は標識抗体を使い機械化された高感度法が主流になってきている.本書では,バランスをとったつもりであるが,次回の改訂では各方面のご意見を伺いながら対処したい.
 なお,本書は臨床検査技師を目指す人々を主たる対象としているが,多くの部分は医学,薬学,生物学を志す人々にとっても有用であるはずである.また,全般的に「わかりやすく」書かれており,一般の方にも利用していただけるものと信ずる.

(第3版にあたってより)

【執筆者一覧】浅川英男/東隆親/渥美達也/一戸辰夫/大戸斉/岡村和彦/小野川傑/小幡文弥/烏山一/川畑絹代/小林孝彰/小松博義/笹原武志/高井敏朗/中川武正/畑中道代/藤田禎三/堀田哲也/松下祥/三宅幸子/森尾友宏/山内一由/山田俊幸/雪竹潤/米田孝司

目次

【基礎編】
1.免疫系のしくみと働き
1.1 免疫系の役割
1.2 免疫系の特徴
1.2.1 多様性
1.2.2 特異性
1.2.3 記 憶
1.2.4 寛容:自己と非自己の識別
1.3 自然免疫と獲得免疫
1.3.1 自然免疫
1.3.2 獲得免疫
1.3.3 自然免疫と獲得免疫の連携
1.4 免疫担当細胞
1.4.1 リンパ球
1.4.2 単球,マクロファージ
1.4.3 樹状細胞
1.4.4 顆粒球(多形核白血球)
1.4.5 マスト細胞
1.5 免疫系の組織・器官
1.5.1 骨 髄
1.5.2 胸 腺
1.5.3 リンパ節
1.5.4 脾 臓
1.6 リンパ球の発生と多様性の獲得機構
1.6.1 B細胞の発生・分化
1.6.2 免疫グロブリン遺伝子の構造と再構成
1.6.3 T細胞の発生・分化
1.6.4 T細胞レセプター遺伝子の構造と再構成
1.7 リンパ球の抗原認識・活性化機構
1.7.1 B細胞の抗原認識と活性化
1.7.2 T細胞の抗原認識と活性化
1.7.3 NK細胞の自己・非自己識別機構
  
2.抗原と免疫グロブリン
2.1 抗 原
2.1.1 抗原の種類:TD抗原とTI抗原
2.1.2 抗原性
2.1.3 抗原決定基
2.2 抗体と免疫グロブリン
2.2.1 Igの構造
2.2.2 抗体の構造と活性
2.2.3 Igの抗原性
2.2.4 抗体の作製法
  
3.補体系の役割
3.1 補体とは
3.2 補体系の反応様式
3.2.1 補体系の活性化経路
3.2.2 C5の活性化とMACの形成
3.3 補体系の制御
3.4 補体系の生体防御における役割
3.4.1 オプソニン活性と抗体産生
3.4.2 炎症のメディエーター
3.4.3 殺菌作用(MACの活性)
3.5 補体欠損症
3.5.1 補体成分の欠損症
3.5.2 補体膜タンパク質の欠損症
3.6 補体系とアレルギー
  
4.生体防御反応のしくみ
4.1 自然免疫
4.1.1 常在細菌叢
4.1.2 細胞性因子
4.1.3 液性因子
4.2 獲得免疫
4.3 各種病原体による感染症
4.3.1 細菌感染症
4.3.2 ウイルス感染症
4.3.3 真菌症
4.3.4 寄生虫感染症
  
5.HLAと移植
5.1 HLAの構造と機能
5.1.1 主要組織適合抗原系
5.1.2 HLAのタンパク質構造
5.1.3 クラスⅠ分子の構造
5.1.4 クラスⅡ分子の構造
5.1.5 抗原提示細胞
5.1.6 MHCクラスⅡ分子による抗原提示
5.1.7 MHCクラスⅠ分子による抗原提示
5.1.8 非典型的MHC
5.2 HLAの遺伝子
5.2.1 HLAの遺伝子構造
5.2.2 HLAの型決定の方法
5.3 HLAと疾患感受性
  
6.細胞表面分子とサイトカイン
6.1 細胞表面分子
6.1.1 細胞分化抗原
6.1.2 活性化マーカーと補助刺激分子
6.1.3 接着分子
6.2 サイトカイン
6.2.1 ケモカイン
6.2.2 炎症とサイトカイン
6.2.3 ヘルパーT細胞の分化と機能に関与するサイトカイン

7.免疫検査の基礎知識
7.1 抗原抗体反応の特質
7.1.1 抗原抗体反応に影響をおよぼす物理化学的因子
7.1.2 各試験管内抗原抗体反応の感度
7.1.3 抗原抗体反応に関与する各因子の量的関係
7.2 免疫沈降反応
7.2.1 混合法
7.2.2 重層法
7.2.3 ゲル内拡散法
7.3 免疫凝集反応
7.3.1 直接凝集反応
7.3.2 間接(受身)凝集反応
7.3.3 凝集抑制試験
7.4 免疫溶解反応
7.4.1 溶解に関与する抗体
7.4.2 溶解反応を利用した試験法
7.4.3 特殊な溶解反応と検査法
7.5 中和反応
7.5.1 溶血毒中和反応
7.5.2 ウイルス中和反応
7.6 標識抗原抗体反応
7.6.1 形態学的方法
7.6.2 試験管内標識抗原抗体反応
7.7 抗原抗体反応の機器測定
7.7.1 比濁法と比ろう法
7.7.2 標識抗原抗体反応の機器測定
7.8 細胞表面分子の測定法(フローサイトメトリー:FCM)
7.8.1 フローサイトメトリー
7.8.2 セルソーティング
7.9 ウェスタンブロット法と遺伝子検査技術
7.9.1 ウェスタンブロット(イムノブロット)法
7.9.2 遺伝子検査技術を用いたウイルス感染症検査

【臨床編】
8.感染症と免疫
8.1 感染症の診断総論
8.1.1 感染症診断の原則
8.1.2 病原体の直接検出
8.1.3 宿主免疫反応の応用
8.1.4 その他の感染症の補助診断
8.2 血液血清に関する病原体
8.2.1 梅 毒
8.2.2 ウイルス性肝炎
8.2.3 HIVとHTLV-1感染症
8.2.4 その他の感染症
  
9.アレルギー
9.1 Ⅰ型アレルギー反応
9.1.1 発症機序
9.1.2 代表的な疾患
9.1.3 検査法
9.2 Ⅱ型アレルギー反応
9.2.1 発症機序
9.2.2 代表的な疾患
9.2.3 検査法
9.3 Ⅲ型アレルギー反応
9.3.1 発症機序
9.3.2 代表的な疾患
9.3.3 検査法
9.4 Ⅳ型アレルギー反応
9.4.1 発症機序
9.4.2 代表的な疾患
9.4.3 検査法
  
10.自己免疫疾患
10.1 自己免疫疾患の概念
10.2 臓器特異的自己免疫疾患
10.2.1 慢性甲状腺炎(橋本病)
10.2.2 バセドウ病(グレーブス病)
10.2.3 重症筋無力症
10.2.4 悪性貧血
10.2.5 自己免疫性溶血性貧血
10.2.6 特発性血小板減少性紫斑病
10.2.7 原発性胆汁性肝硬変
10.2.8 自己免疫性肝炎
10.3 全身性自己免疫疾患
10.3.1 全身性エリテマトーデス
10.3.2 抗リン脂質抗体症候群
10.3.3 全身性硬化症(強皮症)
10.3.4 多発性筋炎,皮膚筋炎
10.3.5 混合性結合組織病
10.3.6 関節リウマチ
10.3.7 シェーグレン症候群
10.3.8 血管炎症候群
10.3.9 IgG4関連疾患
10.4 自己炎症症候群
  
11.血清タンパク質異常症
11.1 免疫グロブリンの異常
11.1.1 単クローン性γグロブリン血症
11.1.2 多発性骨髄腫
11.1.3 原発性マクログロブリン血症
11.1.4 MGUS
11.1.5 ポリクローナルに免疫グロブリンが増加する病態
11.1.6 免疫グロブリンが低下する病態
11.2 その他の血清タンパク質の異常
11.2.1 おもな血清タンパク質とその特徴
11.2.2 急性期タンパク質
11.2.3 低分子タンパク質
11.2.4 アミロイドーシスとアミロイドタンパク質
  
12.腫瘍と免疫
12.1 腫瘍に対する免疫応答
12.1.1 免疫学的監視機構
12.1.2 腫瘍抗原の定義
12.1.3 腫瘍免疫の機構
12.1.4 腫瘍の免疫学的逃避
12.1.5 腫瘍の免疫療法
12.2 腫瘍抗原
12.2.1 腫瘍マーカー
  
13.免疫不全症
13.1 免疫不全症とは
13.2 免疫不全症
13.2.1 先天性免疫不全症
13.2.2 続発性免疫不全症

14.輸血と免疫
14.1 同種抗原と同種免疫
14.1.1 同種抗原系の意義
14.1.2 血液型
14.2 輸血の概要
14.2.1 輸血の意義と歴史
14.2.2 血液製剤の種類
14.2.3 輸血用血液の保存液
14.3 ABO血液型
14.3.1 ABO血液型の基本型とLandsteinerの法則
14.3.2 ABO血液型の判定
14.3.3 ABO血液型抗原の構造と遺伝子
14.3.4 ABHの分泌型と非分泌型
14.3.5 ABO血液型の変異型
14.3.6 A抗原,B抗原と,抗A,抗Bの発達
14.3.7 後天的原因による抗原性の変化
14.4 Rh血液型
14.4.1 Rh抗原の命名法と表記法
14.4.2 Rh抗原と遺伝子
14.4.3 Rh血液型の変異型
14.4.4 Rh血液型と抗体の検査
14.5 その他の血液型
14.5.1 MNS血液型
14.5.2 P1PK血液型およびGloboside血液型
14.5.3 Lewis血液型
14.5.4 Duffy血液型
14.5.5 Kidd血液型
14.5.6 Diego血液型
14.5.7 Kell血液型
14.5.8 I血液型
14.5.9 Xg血液型
14.5.10 その他
14.5.11 まれな血液型
14.6 白血球,血小板および血漿タンパク質の型
14.6.1 白血球
14.6.2 血小板型
14.6.3 血漿タンパク質の同種抗原(血清型)
14.7 輸血を実施する際の免疫血液学的知識
14.7.1 不適合輸血の副反応
14.7.2 タイプアンドスクリーンと不規則抗体
14.7.3 交差適合試験(クロスマッチテスト)
14.7.4 輸血療法の実施に関する指針
14.7.5 安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律
14.8 母児免疫
14.8.1 母体側における抗体産生
14.8.2 胎児における免疫機能

15.移植免疫(臓器移植)
15.1 臓器移植の現状
15.1.1 移植の種類と成績
15.1.2 日本と世界の比較
15.2 拒絶反応のメカニズム
15.3 免疫抑制療法
15.3.1 免疫抑制薬の種類
15.3.2 免疫抑制薬の使用
15.3.3 免疫抑制剤モニタリング
15.4 組織適合性検査
15.4.1 HLAタイピング
15.4.2 クロスマッチ(リンパ球交差試験)
15.4.3 HLA抗体検査
15.5 臓器移植で行われる臨床検査
15.5.1 生体腎移植
15.5.2 死体腎移植
15.5.3 移植後モニタリング
15.5.4 精度管理の重要性と将来
15.6 造血幹細胞移植
15.6.1 幹細胞ソース
15.6.2 造血幹細胞移植の現状
15.6.3 造血幹細胞移植の方法
15.6.4 造血幹細胞移植の成績
15.7 造血幹細胞移植の免疫学的合併症
15.7.1 造血幹細胞移植における組織適合性
15.7.2 拒絶・生着不全
15.7.3 移植片対宿主病(GVHD)

【実習編】
16.検体の取り扱い
16.1 感染予防(特にB,C型肝炎)
16.2 検体の保存
16.3 動物の免疫法
16.4 赤血球浮遊液の調製
  
17.血清成分の検査
17.1 免疫グロブリンの定量
17.2 血清補体価(CH50)の測定
17.3 補体の定量:補体成分のタンパク量の測定
17.4 C反応性タンパク(CRP)の測定
17.5 α-フェトプロテイン(AFP)の測定
17.6 クリオグロブリンの測定
17.7 パイログロブリンの測定
17.8 免疫電気泳動法
  
18.感染症の検査
18.1 溶血性レンサ球菌感染症
18.2 腸内細菌感染症
18.3 梅毒
18.4 肝炎ウイルス検査
18.5 レトロウイルスに関する検査
18.6 EBウイルス感染症
18.7 リケッチア感染症
18.8 マイコプラズマ肺炎
18.9 トキソプラズマ感染症
18.10 クラミジア感染症
  
19.アレルギー検査
19.1 CAPシステムによる総IgEと特異IgEの測定
  
20.自己免疫疾患の検査
20.1 リウマトイド因子
20.2 抗サイログロブリン抗体検査[PA法]
20.3 抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(抗ミクロソーム抗体)検査[ELISA法]
20.4 抗核抗体検査
20.5 抗ミトコンドリア抗体(AMA)検査,抗平滑筋抗体(ASMA)検査[IFA法]
20.6 その他の自己抗体検査
  
21.免疫担当細胞の機能試験
21.1 リンパ球分離
21.2 リンパ球サブセット検査
21.3 リンパ球幼若化試験を用いた薬剤アレルギー検査
  
22.機器による検査の自動化
22.1 光散乱分析
22.2 ラテックス凝集反応を原理とする機器
22.3 蛍光・化学発光免疫測定法
22.4 EIA法による分析
22.5 免疫学的測定法に影響を与える被検試料中の因子
  
23.輸血と移植の関連検査
23.1 ABO血液型検査
23.2 RhD抗原判定法
23.3 カラム凝集法(マイクロビーズ,ゲル法)による血液型検査
23.4 抗グロブリン試験(クームス試験)
23.5 赤血球不規則抗体のスクリーニング
23.6 交差適合試験
23.7 血小板抗体検査
23.8 HLA検査
  
付表1 おもな検査法の概略
付表2 ヒト免疫関連分子のCD分類
付表3 免疫学の歴史
付表4 ノーベル賞を受賞した免疫学研究者