今度こそわかる論理 数理論理学はなぜわかりにくいのか

本橋信義・著
シリーズ:
今度こそわかるシリーズ

今度こそわかる論理 数理論理学はなぜわかりにくいのか

発行
2014/09/30
サイズ
A5判
ページ数
151
ISBN
978-4-06-156606-4
定価
2,970円(税込)
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書籍在庫無し

電子書籍

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内容紹介

初学者がつまずくところを熟知した著者による,丁寧な解説.
論理の勘どころを,易しい言葉で説き明かす!

「数理論理学は難解で,よくわからない」といわれる現状を打ち破る一冊.身近な具体例から始めて,論理の考え方を平易に説き,いつしか論理学の体系的理解が身につく.読めば誰もがわかる平易な"再入門書"が誕生!

〈本書「序文」より〉
 論理とは何でしょうか.誰もが知っているようで実はよくわからない,それが論理です.......論理学が扱う論理と,日常生活や学問の世界で現実に用いられている論理との間には,大きなズレがあります.特別な訓練を受けなくても,誰もがいつでも簡単に扱えるのが論理のはずですが,論理学が提示する論理は,特別な訓練を受けた人でなければ扱えない複雑なものになっています.30年以上大学で論理学の授業をしていながら,いつも,気になっていました.
 そのズレは何なのか長年悩んできましたが,最近,やっと自分なりに答えを出せた,"今度こそわかった"と思えるようになりました.
 結論を先にいうと,論理を理解する枠組みを間違ったため,現実に用いられている論理と論理学が対象とする論理との間に溝ができてしまったのです.その結果,アリストテレス以来確立されている形式論理学が,論理学としては不完全な学問になってしまったのです.

目次

第1章 形式論理学の誤謬
 1.1 推論の根拠
 1.2 メタ推論
 1.3 推論の普遍的根拠
 1.4 論理の基本定理
 1.5 誤謬の実例

第2章 論理の基本定理
 2.1 社会の論理はどのようにして決まるか?
 2.2 法則文を仮定に適用して結論を導くとは?
 2.3 論理の基本定理とその証明
 2.4 論理は理論で決まる

第3章 論理の活用:情報処理場面で
 3.1 情報と主題
 3.2 世界の階層
 3.3 新しい情報を獲得する:推理
 3.4 既知の情報を整理する:公理化
 3.5 人を説得する:証明

第4章 論理が生まれる物語
 4.1 文の構造
 4.2 主語に付属した"すべて"と"ある"
 4.3 主語から独立した"すべて"と"ある"
 4.4 根拠法則の中の"すべて"

第5章 意味の外延化と視点
 5.1 単純文を作る
 5.2 単純文の真偽と視点
 5.3 形式化

第6章 論理語の使い方:古典主義と直観主義
 6.1 視点の揺れ
 6.2 複合文を作ること
 6.3 古典主義における論理語の使い方
 6.4 直観主義における論理語の使い方

第7章 数理論理学と論理法則学
 7.1 形式論理の完全性定理
 7.2 健全で完全な推件変換システムの例
 7.3 排中律の証明
 7.4 論理法則学としての数理論理学
 7.5 論理学と理論
 7.6 数理論理学はなぜわかりにくいのか